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何が「能力発揮」を阻害するのか

  • 富坂 良雄

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2008年9月29日(月)

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 潜在能力に関する今年2月の提言発表で「カマス理論」を紹介したところ、これはたいへん面白い話だと反響が大きかった。読者の中にも、この話をきっとご存じの方がいるだろう。

 水槽にお腹をすかせたカマスと、餌になる小魚を何匹か入れる。カマスは小魚を食べようとするが、カマスと小魚との間は透明なガラスの板で仕切られている。小魚にアタックしようとするカマスは、ガラス板に衝突して痛い思いをする。小魚への接近が何度も失敗に終わると、やがてカマスはあきらめて、餌を獲ろうという行為をやめてしまう。

 そこで、透明の仕切り板を取り除いてやるが、カマスは相変わらず小魚にアタックしない。餌に近寄ることができる状況になっても、その行動を取らないのだ。目の前を小魚が通っているのに、カマスはもはや襲おうとはしない。

 挑戦して失敗に終わる経験が繰り返されると、挑戦そのものをあきらめて無気力状態に陥ってしまう。いわゆる「学習性無力感(learned helpless)」で、これは人間にも当てはまる。

 カマスはもともと小魚を獲る能力を持っている。しかし、その能力を自ら発揮することができない。環境にある条件が加わったことで、餌を獲ることが無理だと思い込んでしまうようだ。

 カマスが本来の能力を発揮するにはどうすればいいのか。

社内にも“ガラス板”がないか

 この水槽に、別のカマスを1匹入れてみる。新しいカマスは透明の仕切り板を経験していないから、ためらうことなく餌を獲ろうとする。小魚にアタックして食べ始める。すると、この行動が無気力になったカマスにも影響を与える。新しいカマスの行動を見て、自分も小魚にアタックし始めるのだ。忘れていた能力を思い出すようなものである。

 環境次第で、能力が発揮できたりできなかったりするカマスを笑うことはできない。気づかぬうちに私たちも似た状況に陥っているかもしれない。組織の問題として捉えても、社員たちの前に透明のガラス板を張っていないと断言できるだろうか。

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