• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

若手社員の可能性を阻害する成果主義

守島基博
一橋大学大学院商学研究科教授に聞く

2008年9月6日(土)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 管理職や中堅社員が個人としての成果を上げることに汲々とし、部下や後輩の指導に手が回らなくなっている。その結果、若手社員が十分に教育を受けられず、なかなか育たない──。

 多くの企業の職場がこうした問題に直面している。成果主義型の人事評価制度の弊害とも言えるこの問題にどう対処したらいいのか。

 一橋大学で人事マネジメントを研究している守島基博教授は、職場で人材育成が行われていない理由を分析し、問題解決への突破口を示す。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

守島 基博(もりしま・もとひろ)氏

守島 基博(もりしま・もとひろ)氏
1980年慶応義塾大学文学部卒業。82年同大学大学院社会学研究科修士課程修了。86年米イリノイ大学大学院で博士号を取得。カナダ・サイモン・フレーザー大学経営学部助教授、慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授などを経て2001年から現職。著書に『人材マネジメント入門』(日本経済新聞出版社)など

 最近、企業の職場で若手社員の育成が進まず問題になっています。上司や中堅社員が彼らの面倒を見なくなったからです。なぜ後進の指導が行われなくなったのでしょうか。

 まずは、成果主義型の人事評価・報酬制度が多くの企業で導入されたことが挙げられます。個人の成果が問われるあまり、中堅社員が自分の仕事で結果を出すことに汲々となり、後輩の指導にまで手が回らなくなった。

 人によっては、後輩の指導に消極的ということもあります。教えた結果、後輩が力をつけて成果を上げるようになれば、自分の地位を脅かす存在になる可能性が出てきますから。

採用抑制や非正規社員の増加も影を落とす

 もっとも、原因は成果主義にとどまりません。例えば、バブル経済が崩壊した後に企業の多くが社員の新規採用を手控えた。このことも大きく影響しています。

 後輩が入社してこなかったため、そもそも部下を指導したことのない上司や後輩を教えたことのない中堅社員が増加した。そこへ業績の回復に伴って、再び新卒社員が入社してくるようになった。しかし経験がないので、新卒社員の面倒をうまく見られないわけです。

コメント5件コメント/レビュー

以前に米国系の金融機関で働いた経験があります。米国企業は成果主義の本家と言われていますが、そこでは、お金と時間をかけて、意識的に社員同士のコミュニケーション機会を持つ場を制度として会社が提供していました。やはり米国でも、単に成果主義のみだけでは上手く行かないことが分かっていたため、このような制度を取り入れていたのではないかと思います。日本の場合は、本来セットとすべきであった成果主義と社員間のコミュニケーション確保の仕組みのうち、前者のみを取り入れてしまったのではないでしょうか。(2008/09/08)

「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」のバックナンバー

一覧

「若手社員の可能性を阻害する成果主義」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

以前に米国系の金融機関で働いた経験があります。米国企業は成果主義の本家と言われていますが、そこでは、お金と時間をかけて、意識的に社員同士のコミュニケーション機会を持つ場を制度として会社が提供していました。やはり米国でも、単に成果主義のみだけでは上手く行かないことが分かっていたため、このような制度を取り入れていたのではないかと思います。日本の場合は、本来セットとすべきであった成果主義と社員間のコミュニケーション確保の仕組みのうち、前者のみを取り入れてしまったのではないでしょうか。(2008/09/08)

1000人規模の工場の11人体制の保全現場に数年ぶりに20歳の新入社員が配属されました。スタッフ部門ではないので、成果主義の影響は少ないですが、これまでの人員の絞込み、設備の老朽化、および積極的な設備投資により、現場の一人ひとりの抱える業務の山は高くなっています。長いこと若手を育てていなかったので、その体制も出来ていません。また、世代の壁は高く、すぐ上でも15歳離れた「若手」社員になっています。記事を読んで、私の職場も似たような環境だと思いました。彼をどれだけ成長させられるかが、所属長としての私の大きなミッションであり、一人前に工場を支えるようになる事が、私の「成果」です。(2008/09/08)

タイトルとエッセンス「コミュニティーとして職場を取り戻せ」~このように複数の要因が絡まり合って、企業の職場で人材の育成が行われなくなっている。これは、処遇のあり方を変えたり、新たな人事評価制度を導入したりといった“小手先”の対応で解決できるものではありません。職場における人材のマネジメントを抜本的に見直す必要があります。~が、かみ合ってない。なんでも、成果主義人事制度を否定する冠をつければよい、片がつくという社会の風潮(日本人気質)自体に、日本人が抱える本質的な問題(小手先だけの策を講じて、真の問題解決ができない。不具合が生じると、これに乗じて全否定し、目先を変えた策で次のビジネスチャンスを伺う。結果、評論家ばかりが跋扈する)のような気がします。雇用契約に基づき、期待役割・成果を明確にし、共有化した上で、成果(事業貢献)に応じて、処遇すること自体に、本当に問題があるのでしょうか?成果や役割発揮を問わない組織・システムの方が異常に感じるのですが?(2008/09/08)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私は町村合併はまったく解決になるとは思っていない。

和田 知士 高知県大川村村長