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第9回 日本の成果主義は“まがい物”

  • 佐久間 陽一郎

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2008年9月6日(土)

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 このままでは成果主義で会社がつぶれる──。

 昨年12月、こんな衝撃的な見出しの記事が、日経ビジネス オンラインに掲載された。成果主義型の人事評価・報酬制度を取り入れた会社の現状を知る目的でアンケートを実施。4日間で1000人を超える読者から回答を集めたという。見出しは、回答の自由記入欄に記された読者の声を基にしたものだ。

 回答を寄せた読者の多くが「成果主義は自分の成長に結びつかず、自分のやる気を低下させている」と答えた。これを受けて、成果主義には大きな問題があると言わざるを得ないと指摘している。このような成果主義に対する批判が後を絶たない。

日本で成果主義は始まっていない

 だが、是非を議論する以前に、日本では成果主義は本格的に始まっていないと私は考えている。

 なぜか。前回の宿題の解答について説明しながら、その理由を明らかにしていこう。

【宿題】

 国内最大手の製薬会社である武田薬品工業4502は今年5月、米国のバイオ医薬品メーカーを約9664億円で買収した。これだけ巨額の買収を実行できたのは、同社が日本一のキャッシュリッチ企業だったからである。

 同社は武田國男社長(現会長)の下で1990年代後半に改革を断行。食品など医薬品以外の事業を整理して経営資源を本業の医薬品に集中し、超高収益企業に生まれ変わった。

 改革の一環として同社が導入したのが成果主義型の人事評価・報酬制度である。武田社長は日本経済新聞に連載した「私の履歴書」で「本当に努力した人が報われる会社にしたかった」と記している。

 実際、武田は成果主義の導入に成功した数少ない日本企業の1つと言われる。果たして同社が成功した要因は何にあったのだろうか。

トップの正確な理解なしに始まらない

 武田が成果主義の導入に成功した要因はいくつかあるが、最も大きかったのは、社長として導入を決めた武田國男氏(現会長)が成果主義についてきちんと理解していたことである。同氏は米社との合弁会社の副社長としてシカゴに駐在していた時に、米国企業の経営をつぶさに見て、成果主義への理解を深めていたのだ。

 このことは、同社が成果主義の導入に先立って、本社部門の簡素化と機能強化という組織改革を行っていることからも分かる。武田氏の下で成果主義の導入を陣頭指揮した元専務の柳下公一氏は、著書『武田「成果主義」の成功法則』(日経ビジネス人文庫)に次のように記している。

 「リストラは先ず組織から始めなければならない。一つひとつの職位について、果たすべき役割・機能を明確にし、Report toをはっきりさせる。そのためには、今いる人をどうするか、あるいは現在の組織をどうするかという現実にとらわれることなく、白紙から組織を考えることが必要になってくる」

 ここに、日本企業の多くが成果主義の導入に失敗している真の理由が隠されている。一つひとつの職位について、果たすべき役割・機能、すなわち職務(job)の内容について明確にしなければならないと柳下氏は指摘しているが、多くの企業はこれをきちんと行わずに成果主義を取り入れようとした。

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