「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」

ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに

2008年10月4日(土)

グローバル日本企業、人事の死角

高野 研一
ヘイコンサルティンググループ社長に聞く

1/3ページ

印刷ページ

 経済のグローバル化に伴って、日本企業のビジネスの舞台は、海外で広がり続けている。こうしたグローバル展開を人事の面からどうサポートするのか。これが、成果主義導入後の新たな人事上の課題として浮上している。

 そうした中、従来の日本人中心の人事制度を改め、国籍を問わずに優秀な人材を採用し登用する“人事のグローバル化”に取り組む企業が増えてきた。

 だが、そうした日本企業の試みの多くには誤りや不備がある──。人事コンサルティング会社大手、ヘイコンサルティンググループの高野研一社長はこう警鐘を鳴らす。高野社長の目に映る日本企業の対応の問題点とは。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

高野 研一(たかの・けんいち)氏

高野 研一(たかの・けんいち)氏
1987年神戸大学経済学部卒業、92年米シカゴ大学経営大学院でMBA(経営学修士)取得。大手銀行、大手コンサルティング会社などを経て、2006年10月ヘイコンサルティンググループ入社。2007年10月から現職。グループ経営、組織改革、人材マネジメント改革、コーポレートガバナンスなどのコンサルティングを多数手がける。著書に『グループ経営時代の人材マネジメント』(東洋経済新報社)など
(写真:都築 雅人、以下同)

 「人事のグローバル化」を目指す日本企業が徐々に増えてきました。背景には、企業のビジネスがグローバル化する中、日本人だけでは対応しきれなくなっていることがあります。そこで、海外で採用した優秀な外国人を活用しようというわけです。

 なぜ日本人だけでは対応しきれなくなったのでしょうか。

 かつては、競争力のある商品を輸出するだけで儲かった時代がありました。その時は日本人中心でもよかった。商品の開発や生産は日本国内で行い、外国人社員の役割は海外のそれぞれの国・地域における販売やマーケティングに限定できたからです。

 ところが現在は、外国人社員の役割を限定できなくなってきた。商品の多くが汎用品(コモディティー)と化して大きな差がなくなり、商品そのものの力で売り上げを伸ばすことが難しくなったからです。

 商品の販売を海外で増やすには、現地のマーケティング部隊と日本の商品開発部隊が連携して新たな顧客を開拓したり、日本の商品開発部隊と海外の生産拠点が協力して新商品を開発したりというように、国境を超えた協業が重要になっている。つまり、世界に散在する国籍の異なる社員がチームを組んで一緒に仕事をできるかどうかが、企業の競争力を左右するようになってきたのです。

 例えて言えば、国境を超えて販売、マーケティング、商品開発、製造といった異なる機能が、シンクロナイズドスイミングのように、一糸乱れず同調して動くことが求められる。そうなると、外国人社員の重要性は否応なく高まります。要求される能力のレベルも上がり、優秀な外国人を採用して登用しなければならないわけです。

人事のグローバル化を阻む壁とは

 日本企業にとって、これは非常にハードルの高い課題です。まずは言葉の壁がある。様々な国籍の人々が国境を超えて連携するとなると、どうしても英語でコミュニケーションを取らなければなりません。英語が得意ではない日本人の社員にとってはまさに壁です。

 次に経営スタイルの違いという壁があります。日本企業の多くは依然として終身雇用制を維持しています。そこでは、日本人社員の大半は新卒で入社し、それぞれの会社の慣習や意思決定の仕組みといった固有の経営スタイルを数年かけて覚えていくのが一般的です。

次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




関連記事



Keyword(クリックするとそのキーワードで記事検索をします)


Feedback

  • コメントする
  • 皆様の評価を見る
この記事を…
内容は…
コメント1 件(コメントを読む)
トラックバック


このコラムについて

ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに

バブル崩壊後、活路を見いだすために日本企業がこぞって導入した成果主義は、今や懐疑的な眼差しが強く向けられている。では、その成果主義の後には、どのような評価システムが主流になるのか。内外の経営者や人事のエキスパートに今後の方向性を語ってもらう。

⇒ 記事一覧

ページトップへNBOトップページへ

記事を探す

  • 全文検索
  • コラム名で探す
  • 記事タイトルで探す

編集部よりお知らせ

日経ビジネスからのご案内