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今こそ「論語」と「算盤」一致せしめるべし

Rongo and Soroban Now!

2008年10月24日(金)

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論語と算盤という懸け離れたものを一致せしめる事が今日の緊要の務めである。

 グローバル資本主義の時代であるからこそ、起こりうる「同時多発」金融危機。われわれは今まさにこの金融危機に翻弄されています。

 「これは現代社会の病」であると批判し、「昔」の時代へ帰ろうと望んだとしても、それは根本的な解決にはつながりません。「昔」であっても、その当時を生きた人々にとっては「現代社会」です。われわれは常に新しい時代を迎え、困難に直面してきたのです。

民間の底力を信じて500社もの会社を作った渋沢栄一

 日本社会が目まぐるしく激動した明治維新から大正時代。日本が初めて近代経済社会へと歩み始めた大変革の時期であるこの時代に、イノベーターとして数々の難題に挑戦し、道を切り開いたのが、実業家、渋沢栄一です。

 栄一は当時、民間の底力を信じ、日本初の銀行をはじめ、およそ500の会社、600の社会福祉事業の設立に関与しました。栄一が「日本資本主義の父」と呼ばれるゆえんです。

 実業家として活躍する一方、栄一は揺るぎない意志で「論語と算盤は一致すべし」と主張し続けました。混沌とした変革の時代であるからこそ、「善い行い」doing goodと「良い商い」good businessはかけ離れてはいけない。豊かさを持続させるためには、この2つが同時にあることが欠かせない――。このように栄一が痛感していたからにほかなりません。

日本的思想が混迷を極める世界経済に貢献するはず

 今、世界を直撃している金融危機を目の当たりにしている人の中には、「海外発」の出来事と冷ややかな視線を送ったり、だから金融資本主義はダメなのだ、などと全否定してしまったりする人もいるかもしれません。

 しかし、今求められているのは、新たな経済の秩序ではないでしょうか。言い換えれば、栄一が主張した「論語と算盤は一致すべし」という思想が、今こそ求められているのではないか。そして、栄一の日本的思想が、混迷を極める世界経済に何かしら貢献できるかもしれない――、そういった視点が大切なのではないかと考えています。

 このコラムでは、渋沢栄一の書いた『論語と算盤』をはじめ、栄一の著作から一文を引用し、私なりに栄一の考え方を英語と日本語で解説していきたいと思っています。

 日本の優れた「コンテンツ」を英語で表現することによって、日本語で読むだけでは見えてこないものが浮かび上がってくるかもしれません。様々な思いを込めた本コラムに、どうぞおつき合いください。

真正の利殖は仁義道徳に基かなければ、決して永続するものではない。

 Centuries before the calculator, before the PC spreadsheet, there was the “Abacus.” It is a calculating tool that is constructed as a wooden frame with counting beads that slide on a series of thin rods. In Japan, it is known as “Soroban,” and said to be imported from China around 1600, during the early Edo Period.

 The Edo Period, also known as the Tokugawa Period (1603 to 1868) was 270 years of political stability, basically untouched by forces from the outside world, and thus an era of cultural, social and economical self-development for Japan. The teachings of Confucius -- that social order is attained through virtue and benevolent humanity -- flourished among the ruling warrior class during this period and became the intellectual foundation in Japan.

 Confucius was an ancient Chinese philosopher, whose teachings are said to have reached Japan via Korea around year 300 AD. The “Analects” of his teachings, known as “Rongo” in Japan, were written by his disciples, and passed down through the centuries for about 2500 years as universal wisdom of humankind.

コメント6件コメント/レビュー

支払い能力の低い人に、土地つき家屋のローンを組んであげることは、「仁」なのか違うのか。資格審査が緩くなっていて、資金融資の通る可能性は十分にあって、いくらでも「算盤」に合う。当然、住宅販売の営業は「イケイケ状態」になる。MBA資格を取得した経営者層ではなく、経済活動の最前線の一営業担当まで、論語と算盤のバランスのとれた感覚を体得させることなど無理な相談であろう。好景気が続き、高所得の人の情報が蔓延すれば、それにあこがれ、あやかろうとして、儲けを得るため、営業での行き過ぎや違法に近い行為が横行するのだ。そしてバブルが弾けて、精神論や道徳論が復活する。この繰り返しは実に虚しい。(2008/10/27)

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支払い能力の低い人に、土地つき家屋のローンを組んであげることは、「仁」なのか違うのか。資格審査が緩くなっていて、資金融資の通る可能性は十分にあって、いくらでも「算盤」に合う。当然、住宅販売の営業は「イケイケ状態」になる。MBA資格を取得した経営者層ではなく、経済活動の最前線の一営業担当まで、論語と算盤のバランスのとれた感覚を体得させることなど無理な相談であろう。好景気が続き、高所得の人の情報が蔓延すれば、それにあこがれ、あやかろうとして、儲けを得るため、営業での行き過ぎや違法に近い行為が横行するのだ。そしてバブルが弾けて、精神論や道徳論が復活する。この繰り返しは実に虚しい。(2008/10/27)

 普通の日本人なら、敢えて反論する人も少ないと思われる「正論」だけに、残念ながら、お説が理解されてglobal standard(特にAmerican standard)となる可能性については絶望的にならざるを得ません。 言語の問題ではなく、「哲学」の問題なのですから。(2008/10/27)

感銘いたしました。かような提案が絶えずされることを望みます。効率性を追求することは悪いことではありません。しかし人間は機械ではありません。常に節度をもって事に臨む必要があるのではないでしょうか。この数十年の振り返ると、節度が大きく欠落しているように思えます。またチャップリンの映画「モダンタイムズ」をいつも思い出させます。今のままでは、経済のみならず社会にも歪が出てくるのではないでしょうか。個人的には社会的にもすでに出ていると感じています。(2008/10/27)

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