• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

資格の群雄割拠を超えて

求められるのは、人材の知識・能力のサービス価格への適切な転嫁戦略。

  • 水之浦 啓介

バックナンバー

2008年10月15日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「3K業種」は理由にならない

 サービス業が3K業種(きつい、帰れない、給料が安い)であり、人が集まらないというのは本当だろうか? 筆者には、これは言い訳か、後付けの理由のように思えてならない。3K業種、というのは別にサービス業に限って使われてきた言葉ではないだろうし、もともとは一部の製造業について言われていた表現であった(ただし、その場合は“きつい”“汚い”“危険”とするのが一般的であったろう)。

本稿の読者の皆様の中でも自分の仕事が「きつい、帰れない、給料が安い」仕事ではないのか、と問われると、「まあ、そういうと自分の仕事も3Kかもしれないね」と苦笑される方も少なくないのではないだろうか。

 冗談のような話だが、筆者の同僚コンサルタントが米国の金融関係のカンファレンスに参加した際に、懇親会でお互いの労働時間の話になったのだが、筆者の同僚が自分の労働時間を説明したところ、「それはウォール街で40歳までがむしゃらに働いた後に早々にリタイアすることを想定している人の働き方だよ。いくら何でも、そんなに給料はもらってないだろう?」と米国からの出席者が目を丸くしたという。

 このように考えると、「3K」というのはサービス業だけに必然的に内包している特性というのは少々行き過ぎた考え方であり、さらには「3Kである」ということだけがサービス業に人材が集まらない・育たない、という理由にはならないだろう。

“人が集まる”エステティック業界

 では、“3K業種である”という理由を抜きにして考えた場合に、「サービス業には人が集まらない」というレガシーは本当だろうか。もちろん、人が足りない業界も少なくないのは事実だろう。例えば福祉分野でもインドネシアから看護師や介護福祉士候補者を呼び寄せようという政策もあることを鑑みると、このレガシーは必ずしも完全否定できるものではないかもしれない。しかし、中にはそうでない業界もある。以下のエステティック協会会員数の推移のグラフをみてもらいたい。

 今回、特に取上げる“エステティック業界”においては、必ずしもそのような状況は見られないのは上記のグラフから明らかであろう。全てのサービス産業で “人が集まらない”とするのは行き過ぎた考え方ではないか。

 日本エステティック協会とは、主にエステティシャンにより構成される業界団体であるが、その会員数は1990年代初頭からごく最近まで継続的に右肩上がりであり、エステティック業にいかに人が集まっているか、ということが見て取れるだろう。当然、エステティック業の市場規模そのものも伸びており、「美」や「健康」に対する消費者の関心の高まりなど、社会環境や消費者ニーズの変化に負う部分も大きいことが背景にあるとしても、「サービス業だから人が集まらない」というのは、このことからも疑ってかかるべきであろう。

エステティック業界の人材育成は、“人の流動性の高さ”が悩み

 サービス産業生産性協議会の第3回人材育成委員会(2008年3月4日開催)における、日本エステティック協会理事の島上和則氏の説明資料である、「エステティシャン資格統一化に向けた取組み 」によると、協会会員数が順調に増え続けているエステティック業界においても、問題となっているのは「エステティシャンの定着率が低い」ということだという。

サロン側の問題 エステテシャン側の問題
サロンはエステティシャンのことをどこまで考えているか?
使い捨てになっていないか?
労働時間は?
エステティシャンの仕事をさせているか?
福利厚生・キャリアプランはあるのか?
エステティシャンにもサロンを選ぶ権利があるという真摯な考えを持っているか?
優れたエステティシャンから選ばれるサロンになろうとする取り組みを行っているか?
エステティシャンはエステティックという仕事をどう捉えているのか? 施術だけが仕事じゃない。
サービス業であるという自覚があるのか? 法律は?
ホスピタリティー、接客マナー、社会人としての常識は身についているか?
日々技術を磨き、勉強しているか?
どこのサロンでも通用するだけの基礎力を持っているか?
キャリアプランや将来の夢を描いているか?

出所)サービス産業生産性協議会 第3回人材育成委員会(説明資料)「エステティシャン資格統一化に向けた取組み(日本エステティック協会理事 島上和則氏資料)」より一部抜粋・加筆


 同資料では、定着率が低い理由を詳細に分析しているが、その理由を筆者なりにまとめるとすると、(1)エステティシャンが(就職の段階で)仕事内容を誤解している、(2)エステティシャンの知識・能力が不十分な場合がある、(3)エステティシャンにキャリアプラン・夢がない、という3点が非常に大きな問題点だと考えられる。

コメント0

「“世界で売りたい” 日本のニュー・サービス」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員