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入社希望者が後を絶たないタクシー会社

“運転手”から“スペースコンシェルジェ”へ

  • 武田佳奈

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2008年10月22日(水)

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 第14回で、「サービス業には人が集まらない」というレガシーが本当かについて、エステティック業界を例に検証し、「サービス業だから人が集まらない」わけではないのではないかと論じたところである。

 今回は、タクシー業界に注目してみたい。タクシー業界は、2002年の規制緩和以降、新規参入が相次ぎ、著しく競争が激化した。

 タクシー業界では、乗務員の賃金は歩合制が多く、経営側としては、1台当たりの収入が減っても、台数を増やせばある程度の収入を得られるというビジネスモデルであった。

 規制緩和で車両台数の増加が容易になり、各社車両台数を増やす傾向が顕著になったことも相まって、各社で人材不足が深刻化していった。

 このような業界において、人材募集の広告を出していないにもかかわらず、入社を希望してくる者が後を絶たないタクシー会社がある。「ハロー・トーキョー」である。


 「ハロー・トーキョー」は、大手タクシー会社の乗務員が集まり、「タクシーは運送業ではなく、サービス業。サービスを徹底したタクシー会社を作りたい」と考え、「すべては、お客様のために」を企業理念に立ち上げた会社である。2003年営業開始当初10台だった保有車両は、5年を過ぎた2008年10月現在150台に、乗務員も320人にまで増加した。

 黒塗り高級車の使用、カーナビゲーションシステムの全車搭載、オゾン脱臭装置や携帯電話充電器の設置など、充実した車内サービスに加えて、乗務員の接客態度のよさが評判となり、その後も、他社に先駆けて新たなサービスコンセプトを生み出すことで、タクシー業界の常識を覆す、業界の風雲児的存在として注目されている。

「タクシーは運送業ではなくサービス業」

 目新しいサービスコンセプトにより一時的に目立ち、業績を飛躍的に上げる企業は少なくない。しかし、サービスコンセプトは、真似され易い。特に、サービス産業は、特定の技術が必要となる製造業などと比べて、真似ること自体はそれほど難しくないがゆえに、当時目新しかったサービスが他社でも提供され始め、目新しくなくなるまでにかかる時間が短いのが特徴である。

黒塗りの車両を使用。ハイヤーと間違われ、敬遠されたこともあったという

黒塗りの車両を使用。ハイヤーと間違われ、敬遠されたこともあったという (写真提供:ハロー・トーキョー、以下同)

 事実、ハロー・トーキョーが会社設立当時に打ち上げたコンセプト、黒塗りの車両、カーナビ搭載、携帯電話充電器の設置、従業員による高いホスピタリティ、などは今では他社でも見られる。

 それでもなお、「ハロー・トーキョー」が業界において一目置かれる存在にあり続けているのは、目新しいサービスコンセプトを出し続け、常に、他社にないものがある「ハロー・トーキョー」であり続けているからである。

 最近では、ペットと一緒に乗車できるサービスや、成田空港周辺の観光地を定額で周遊するサービス「ハロー・DE・ナリタ」などのサービスも用意。「ハロー・DE・ナリタ」は、飛行機の乗り継ぎなどで一時的に滞在する外国人客を中心に利用ができ、空港内の案内カウンターを通じて、営業を本格化している。

誇りを持ててこそ、よい仕事ができる

 このような目新しいサービスコンセプトの継続的な打ち上げにより、他社との差別化を実現させる陰で、「ハロー・トーキョー」が特に重視しているのが、その新しいサービスコンセプトを生み出したり、実現できる“人材”の確保・育成である。

 「すべては、お客様のために」を企業理念に掲げる「ハロー・トーキョー」が追求する高付加価値サービス提供の実現には、個々の従業員がどれだけ、顧客視点を持って、経験と技能を頼りに、高いレベルのサービスを提供できるかどうかにかかっている。しかしながら、タクシー乗務員の多くは、自らがサービス業に従事しているとは認識しておらず、自発的によいサービスを提供しようという意欲に乏しい者も少なくなかった。

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