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第9話「銀行と融資先どちらが大切なんだ?」

2008年10月22日(水)

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前回までのあらすじ

 関東ビジネス銀行で61億円の債務の返済計画を問い詰められ、新たな融資の打ち切りを宣告されたジェピー社長の財部益男は、会社に戻ってからもただ、言葉を失うばかりだった。

 取締役経理部長の団達也は、銀行の融資部の強田弘・統括本部長の前で1年でジェピーを再建することと、24時間後に事業計画をまとめることを約束した。

 達也は社長室に常務取締役の三沢充と経理課長の細谷真理を呼び、ジェピーの再建計画について具体的に話し合った。


関東ビジネス銀行

 「君は業務命令をなんと心得ているんだ」

 達也と社長の財部益男が帰った後、関東ビジネス銀行取締役融資部長の佐古田五郎は、融資部統括本部長の強田からの報告を聞き、思わず大声を張り上げた。

 「午前中、君と丸亀君と私の3人で打ち合わせたばかりじゃないか。ジェピーはこの間の株主総会で社内が混乱していることが分かったし、連帯保証先の倒産が決まったんだ。しかも、この期に及んで社長はまだ気楽だというじゃないか。どう考えても、今日が、ジェピーから手を引く絶好のチャンスだったはずだ」

 すると強田は悪びれる様子もなく答えた。

 「お言葉を返すようですが、私は銀行の使命は産業資本を支えることだと信じています。ジェピーが要注意融資先であることはよく分かっています。それでも相手方の混乱に乗じて融資を引き揚げるなど、私はしたくありません」

 今、融資を引き揚げれば、ものの1、2カ月でジェピーの息の根は止まることは、強田にも分かっていた。丸亀支店長からの報告書にあったように、何としてでも会社を蘇生させたいという熱意が社長の財部益男から感じられないのなら、ジェピーは早晩破綻する。そうであるのなら、ここで一気にけりをつけるのは致し方ない、とも思っていた。

 確かに、丸亀の言う通り、財部は社長の器ではない。それは一目見て分かった。だが、ジェピーの若い幹部の言葉を聞いて、気持ちが大きく揺らいだ。取締役経理部長の団達也だ。あの青年は何を根拠に「再生できる」と断言したのだろう。自信に満ちた態度が、強田には気に掛かって仕方がないのだ。

 「そんな青臭いことを言っていられる状況じゃあないんだよ。それくらい、君だって分かっているだろう」
 佐古田はいらだちを隠さずに言った。金融機関を取り巻く状況が、急激に悪化していることを言っているのだ。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第9話「銀行と融資先どちらが大切なんだ?」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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