電卓やパソコンのスプレッドシートが発明される何世紀も前に「算盤」がありました。アジア圏の文明では、木の枠の中に並んでいる複数の串に数え玉が備えてある形を取り、日本には江戸時代初期に中国から到来したと言われているようです。
およそ270年間におよぶ江戸時代(徳川時代、1603〜1868年)の政治的安定期は、外国勢力から隔離された日本は、文化的、社会的、経済的に独自に発展した時代でもありました。孔子の教え、つまり、仁義を通じて社会的秩序を築く道義は、この時代に武士階級に開花し、社会の知性的基盤となります。
儒家の祖である孔子は、紀元前500年ぐらいに活動した中国の思想家であり、儒教は紀元300年ぐらいに朝鮮半島から日本に到来したと言われています。「論語」とは、孔子自身ではなく門下生たちが書き留めた書物ですが、2500年間を経た人類の普遍的な智恵であると言えるでしょう。
前回の英文記事※1をご参照ください。
日本初のベンチャーキャピタリストだった渋沢栄一
1868年の江戸期の終末から20世紀初期は、封建時代の社会秩序を解かれた日本が驚くべき経済的発展による世界的近代国家として身を起こした時期です。また、日露戦争(1904〜05年)の勝利によって、それまで西欧諸国の特権であった軍事国家ともなりました。
明治維新と呼ばれるこの時代は、活気に満ちた多くのイノベーターによる素晴らしい功績に恵まれた、日本史の大きな転換期です。
そのイノベーターのひとりに渋沢栄一という人物がいました。1840年、現在の埼玉県深谷市にあった豪農商家に生を受け、日本初の銀行設立などの実績により、明治時代を代表する実業家として名声を築くことになります。
また、株式(合本)制度の先導者であるため、渋沢栄一を「日本近代的資本主義の父」と評価する向きもあります。栄一が設立に関与した会社はおよそ500社と言われ、「日本初の近代的ベンチャーキャピタリスト」と称しても間違いはないでしょう。
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