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【誤算の研究】アデランス

支店の暴走を見過ごし、強引商法で大幅減収に

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2008年10月31日(金)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1991年11月11日号より

 多額の株式評価損を出し業績悪化。折あしく、必要以上のかつらを買わされたと顧客から苦情が相次ぎ、消費者問題に発展。大幅な売り上げダウンに見舞われている。

(三橋 英之)

有価証券評価法の変更後株価急落、2期連続で経常赤字は確実

 「急成長を続けるベンチャーの雄」、「かつらの代名詞」、「上場企業中、屈指の高収益企業」…。

 これまでアデランスにつけられてきたこれら形容句がすっかり色あせて見えるほど、同社の業績は低迷している。2期続けての大幅な減収・減益。かつての売上高経常利益率20%以上という高収益ぶりは見る影もない。

 1990年2月期の売上高は前年比10%減の256億円、営業・経常利益に至ってはそれぞれ62%、75%も落ち込んだ。下図にあるように、その後も低迷は続いている。というより、翌91年2月期には経常赤字に転落、今期予想は経常・営業利益とも赤字となり、傷はますます広がっている。

株価暴落と消費者問題のダブルパンチで業績急悪化

 この結果、業界首位の座をアートネイチャー(本社東京)に奪われた。同社は地域ごとに10社に分社化しており、単純比較はできないが、グループ全体で売上高298億円、経常利益37億円(91年3月期)に上る。

 なぜ、こうした事態に陥ったのか。大北春男社長はこう答える。「一つには有価証券の評価方法を変えたことが業績悪化の原因として上げられる。もう一つは、消費者問題」。

 前者から説明しよう。アデランスは90年2月期に評価法を原価法から低価法に切り替えた。常に取得原価で評価する原価法と比べ、低価法は有価証券の値下がりを決算に反映できるため「財務体質の健全化を図る目的で採用した」(大北社長)。

 ところが、折からの株価急落の影響をモロに受け、90年2月期に約22億円、91年度にも約19億円の評価損が発生。株式売却益で負担を吸収しようにも株価低迷でままならず、業績悪化につながった。

 しかし、大北社長は多額の評価損をそれほど深刻にはとらえておらず、こう語る。「運用資金は現在80億円弱にまで圧縮したが、株を全くやめてしまう考えはない。確かに予想もしなかった株価急落で、大きなダメージを受けたが、ほぼ評価損は出し切った」。

 この言葉通りだとしても、アデランスの業績が急回復するとは考えにくい。本業のもうけを表す営業利益の低迷は株価急落とは何ら関係がない。こちらの方はもう一つの原因、「消費者問題」が深くかかわっている。

顧客からの苦情が相次ぐ、働かなかったチェック機能

 89年春ごろから、アデランスは顧客に必要以上のかつらを強引に売りつけている、と報じる新聞や雑誌が相次いだ。かつらを購入した顧客が調髪や修理のため支店に行くたびに、「新製品が出た」「多めにスペアを持っていた方がよい」などと追加契約を勧められ、短期間の内に金額にして数百万円もの契約を結ばされるケースが多発している、といった内容だ。

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