「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」

ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに

2008年10月25日(土)

日本のダイバーシティーは、間違いだらけ

谷口真美
早稲田大学商学学術院教授に聞く(前編)

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 経済のグローバル化などを背景として、日本企業でも女性や外国人の“活用”が広がり、「ダイバーシティーマネジメント」という人事用語をよく聞くようになった。

 日本語で「多様性」を意味するダイバーシティーを冠したこの用語は、性別や人種といった違いにこだわらずに優秀な人材を活用することだと受け止められている。だが、こうした見方は誤解であり、そのために企業の取り組みは本格化していない──。

 ダイバーシティーマネジメント研究の第一人者である早稲田大学商学学術院の谷口真実教授はこう指摘する。同教授が語る真のダイバーシティーマネジメントとは。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

 日本でも、「ダイバーシティーマネジメント」という言葉をよく耳にするようになってきました。しかし、私は日本企業におけるダイバーシティーマネジメントはまだ本格的に始まっていないと見ています。

 ダイバーシティーマネジメントとは、よく言われるように性別や年齢、人種といった点だけではなく、もっといろいろな面で多様な人たちを活用して、組織やチームのパフォーマンスを高めることを意味します。

 その意味からすると、日本企業の多くは女性や外国人を社員として雇用することによって、従業員の構成を性別や人種の点で多様化するところにとどまっている。決して多様な人材を活用しているとは言えない状況です。ダイバーシティーマネジメントの入口で立ち止まっていて、それより先に進んではいないのです。

雇用しているだけで、活用できていない

谷口 真美(たにぐち・まみ)氏

谷口 真美(たにぐち・まみ)氏
1996年神戸大学大学院経営学研究科博士後期課程修了、経営学博士号を取得。広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻助教授、米ボストン大学大学院組織行動学科エグゼクティブ・ラウンドテーブル客員研究員などを経て、2003年早稲田大学大学院商学研究科助教授。2007年同准教授。2008年4月から現職。著書に『ダイバシティ・マネジメント 多様性をいかす組織』(白桃書房)など

(写真:佐藤 久)

 従業員に女性や外国人を増やす。そして、男性や日本人の従業員と同様に扱うことばかりに目が向くから、男女間や人種間の格差是正に取り組みが集中します。

 例えば、在宅勤務制度を設けて女性社員が男性社員と“同等”に働ける環境を整備するといった話が中心になる。組織やチームのパフォーマンスを高めるという本来の目的は、完全に蚊帳の外に置かれてしまっています。

 では、異質の人を組み合わせることがなぜ、組織やチームのパフォーマンス向上につながるのでしょうか。それは、同質な人の集団よりも異質な人の集団の方が、イノベーションが生じやすいからです。

 それまでにない画期的な製品や新しい仕組み、プロセスといったものは、異なる意見やアイデアがぶつかり合った中から出てくる。だから、異質な人を集めて製品開発や業務改革などに当たらせると有効なわけです。

 そうした異質で多様な人たちからなる組織やチームをどうやって作り出すか。さらにリーダーがどう統率していくか。ダイバーシティーマネジメントでは、これらの点がはるかに重要なのですが、今の日本企業の取り組みは、「女性や外国人を何人雇用するか」という“人数合わせ”に終始している。本物のダイバーシティーマネジメントに踏み込んでいません。

日本企業は表層しか見ていない

 単なる人数合わせで多様な人の集団を本気で作ろうとしていないから、外国人でも日本の文化や作法に精通していて、中身は日本人のような人を採用したがる。あるいは、採用した後に日本流を半ば強制的に身につけてもらって、“同化”を促したりするのです。

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ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに

バブル崩壊後、活路を見いだすために日本企業がこぞって導入した成果主義は、今や懐疑的な眼差しが強く向けられている。では、その成果主義の後には、どのような評価システムが主流になるのか。内外の経営者や人事のエキスパートに今後の方向性を語ってもらう。

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