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【誤算の研究】ヤマハ

事業部制が不協和音 楽器に安住、多角化不発

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2008年11月6日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1991年12月23日号より

 多角化がまだ軌道に乗らないため、楽器需要低迷の影響をもろに受け、業績が急速に悪化。社長が強力なリーダーシップを発揮し、ぬるま湯的な楽器事業の体質から脱皮しない限り、前途は多難だ。

(長妻 昭)

ピアノ普及率の限界を予測し 進めてきた多角化だが・・・

 ヤマハが揺れている。収益力の急速な悪化が経営陣に対する不満を募らせ、「赤字に落ち込めば社長解任だ」との強硬論さえ社内で聞かれ始めた。今年夏に実施した希望退職では予想を上回る724人が辞め、その過程で一部管理職から「ほとんど強制的に解雇された」との内部告発が出るほど、社内はギクシャクしている。

 売上高は1990年3月期、3847億円、前期比3.2%減と減少に転じ、91年3月期も3835億円で前期を0.3%下回った。

 営業利益、経常利益とも2期連続の減少は避けられず、92年3月期はそれぞれ50億、80億円と、ともに最近のピークだった88年3月期の半分の水準になる見込み。平成景気の中で、ヤマハはその恩恵を受けるどころか、業績悪化を際立たせることになった。

 原因ははっきりしている。楽器市場の成熟だ。国産ピアノの内需は81年に975億円あったのが、漸減を続け90年には692億円まで落ち込んだ。世帯普及率が日本では20%と、限界といわれる水準に達したのに加え、出生率の低下が響いている。

 電子ピアノ、オルガン、シンセサイザー、エレキギターなど電子電気楽器市場も同様に右下がり。内需はピークの84年の800億円から90年は739億円に落ちている。

 川上浩社長は、「普及率の推移などから楽器市場の成熟は予想していた」と言う。だからこそ多角化を推進してきた。

 91年3月期の売上高でみても、楽器以外にリビング用品(総売上高に占める比率13.2%)を筆頭に、半導体を含む電子金属及び電子機器(8.9%)、オーディオ(8.4%)、スポーツ用品(7.3%)、レクリエーションほか(3.1%)など、多角化は進んでいる。

 楽器の売上高比率は56%まで低下したものの、半導体部門以外は今もって利益は出ていない。その半導体部門も91年3月期は半導体不況のあおりで赤字を出しており、収益の柱にはほど遠い。楽器に全面依存する企業体質に変わりはない。

先手とった超小型ステレオセット 他社の追い上げに耐えられず撤退

 早くから取り組んできた多角化がいまだに軌道に乗らないのはなぜか。

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