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【誤算の研究】横浜銀行

国際・証券部門がお荷物、今さらの地元回帰に苦戦

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2008年11月5日(水)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1991年12月16日号より

 地元への貢献という地銀本来の役割を忘れ、国際・証券部門に注力。銀行経営が逆風にさらされるなか国内営業重視を打ち出すが、地元は全国有数の激戦区。地元回帰作戦は簡単でない。

(飯田 雅美)

 「当行の国際戦略は挫折していないし、合併も考えていない」――横浜銀行の田中敬頭取は11月22日、中間決算発表の記者会見の席上で異例の発言をした。10月半ばに全国紙で「国際戦略の失敗から合併も」と報道されたことに憤慨してのコメントである。

 「地元密着型の銀行としてやっていくのに、合併しても何のメリットもない」と田中頭取はきっぱり。横浜銀行は少なくとも当面は、合併して大銀行を目指すより、「地域に密着した堅実な中堅銀行」(田中頭取)となる道を選んだ。

 横浜銀行が県内のリテール(小口金融取引)に注力するという経営方針の大転換を発表したのは今年4月。国内営業と同様にプロフィットセンターとしてみなしてきた国際・証券部門を国内営業の支援部門として位置付け、県内の営業部門にヒト・モノ・カネの経営資源を投入、地元の銀行であることを鮮明に打ち出した。

大手地銀の資金量

 横浜銀行は1991年3月末の資金量が10兆1598億円と、地銀の中では断然トップであるばかりでなく、都銀の北海道拓殖銀行(8兆3460億円)をも上回る規模を持つ。地元神奈川県の経済成長に伴って県内唯一の地銀として規模を拡大してきた。

 この資金力を背景に、「すべての面で都銀なみに経営展開するため」(黒沢邦夫・取締役総合企画部長)積極的な海外戦略、証券戦略を打ち出し、「ミニ都銀化しつつあった」(田中頭取)。

 しかし、内外の株式・債券相場の低迷、利ザヤの縮小が収益の悪化に結びつき、基本戦略の転換を迫られた。「抜本的な構造改革をしないと生き残っていけないという強烈な危機感が経営陣の間に出てきた」(黒沢総合企画部長)。

高くついた英金融会社買収、顧客不在のディーリングも見直し

 89年に買収した英国の金融持ち株会社、ギネス・マーン・ホールディングズの経営悪化は、国際業務見直しの一つのきっかけとなったといえる。

 ギネス・マーンは、事実上倒産した英コングロマリット、ポリー・ペック・インターナショナルへの貸し付けや不動産関連融資などで多額の不良債権を抱え、91年3月の中間決算では3550万ポンド(約83億円)の赤字を計上した。

 横浜銀行の当初の持ち株比率は65%だったが、今年10月に100%完全子会社にして、ギネス・マーンの経営再建に乗り出した。

 ギネス・マーン買収の狙いは、「EC統合後の欧州市場への足場として、また金融制度改革をにらんで、証券や投資信託業務などのノウハウを蓄積するため」(岩瀬一雄・国際企画部副部長)だった。すでに同社に経営陣を派遣し、今後人員削減、業務縮小などを進めていく。

 これまでに投資した資金は約300億円になるなど、現状ではお荷物になっているのは明らか。買収自体に疑問を投げかける向きも多い。当時ロンドンに駐在していたある上位都銀の支店長は、「米系の証券会社がギネス・マーンの買収を盛んに都銀に持ちかけてきたが、不良債権をたくさん抱え、とても手を出せるような代物ではなかった」と振り返る。

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