• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

【誤算の研究】トーハン(旧東京出版販売)

物流整備の遅れ読めず 日販急迫、CIで挽回へ

  • 日経ビジネス

バックナンバー

2008年11月7日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1992年2月3日号より

 出版取次の最大手。得意先だった大学生協をライバルの日本出版販売に奪われた。生協側から指摘されたのは情報・物流システムの遅れ。保守的体質が時流の変化を読み切れなかった。

(佐沢 始)

 「1991年度の売上高目標6583億円を皆さんの力でぜひ達成させていただきたい」――トーハン(本社東京)の上滝博正社長は年頭のあいさつで、こう訴えた。社員の多くはこの言葉に、昨年のある出来事を思い浮かべながら、単なる決意表明以上の危機意識を感じとっていた。

 昨年8月、出版業界にちょっとした衝撃が走った。書店としても大手の全国大学生活協同組合連合会が、出版物の仕入れ先を日本出版販売に一本化する、と決めたからだ。保守的な体質が根強い業界で、こうした大規模な取引先の変更はそうめったにあることではない。当然、関係者の耳目を集めた。

 何より驚いたのは、大口取引のほとんどをライバルの日販に奪われた当のトーハン(当時は東京出版販売)首脳である。

 トーハンと日販は、第二次世界大戦中の出版物流の統制会社、日本出版配給から戦後分割して発足以来、好敵手としてしのぎを削ってきた。現在の売上高はそれぞれ6068億円、5572億円(いずれも91年3月期)。業界第3位の大阪屋が925億円(91年7月期)であることを見ても、この2社がいかに大きいか、またきわどく競り合っているかがわかる。

 一方、大学生協の年間書籍売上高は非出版物を含めて約350億円(90年度実績)。このうち定価ベースで116億円をトーハンから、94億円を日販から仕入れていた。

情報システムは横並びだが 配本では日販より時間がかかる

 まだ大学生協連合会傘下の一部の生協が態度を保留しているため、トーハンの取扱分がすべて日販に行くとは限らないが、少なくとも年間で90億円近くはトーハンから日販に移る見通しだ。これによって両社の売上高の差は、単純に計算しても年間で200億円近く縮まる。今回の取引変更が2社の売上高に与える影響は間もなく、それぞれの91年度下期の実績に表れる。

 この事件に対するトーハン関係者の見方は、「大学生協が日販の提示した有利な仕入れ価格に飛びついた」で一致している。具体的には、日販が大学生協への卸価格を1.2ポイント引き下げたといわれている。

 「こんな卸価格を提示されたのではどうしようもない。ウチがこの条件で取引したら絶対に採算に合わない。日販は何を考えているんだろう」。トーハンの首脳は憤まんやるかたないといった様子でこう語る。

 しかし、大学生協側はこの見方を一蹴する。

コメント0

「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

全体の2~3割の人でも理解し、動き出してくれれば、会社は急速に変わります。

中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長