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第11話「この不況はわが社にとって絶好のチャンスです」

2008年11月5日(水)

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前回までのあらすじ

 24時間以内に事業計画をまとめる――。団達也は関東ビジネス銀行から戻ると、社長の財部益男の前に常務取締役の三沢充と経理課長の細谷真理を呼び、今後の再建計画について話し合った。

 三沢はその後すぐに豊橋工場に行き、金子副工場長と具体案を練った。

 達也は夜になって経理部に戻ると、頭の中に描いたジェピーの再建計画を真理に話して書類にまとめた。

 それは、ジェピーが持っている“技術”をお金に換えるというものだった。この利益モデルが実現可能かどうかについて、達也は豊橋工場の三沢と金子に電話で問い合わせた。そして関連する資料をまとめ、翌朝7時までにメールで送るように依頼した。

 関東ビジネス銀行の佐古田五郎・融資部長はリンダにやり込められた日の夜、1人で行きつけの銀座の高級クラブで飲んでいた。佐古田の隣に滑り込むように座ったのは、ジェピーを追われた沢口萌だった。


クラブ真紀

 「きみは間中君のことを知ってるんだな」
 佐古田はうつむく萌の横顔をまじまじと見て言った。佐古田にとって間中は融資先の専務だったというだけではない。同じ大学山岳部の後輩でもあったのだ。そんなわけで、間中に対しては公私ともに目をかけてきた。それにしても、なぜこの女は間中のこと、そして間中と自分とのことまで知っているのか。佐古田は身構えた。

 「私、間中専務がいらした丸の内の会社に勤めていたんです。間中さんはよくこのお店を使ってました」

 「この店を使っていた…?」
 佐古田はいぶかしく思った。なぜ間中がこの店を使っていたことを知っているんだ。

 「私、経理部にいたんです。毎月、お店から請求書が送られてきましたから」
 萌は正直に答えた。その時、佐古田は支店長の丸亀から聞いた話を思い出した。ジェピーの株主総会で、間中と経理部長だけでなく、愛人関係と思われる経理部の女性が追放されたという話だ。その女性は色白でモデルのようだったと、あの堅物の丸亀が付け加えたことが印象に残っていた。

 (そうか。この女性があいつの愛人か…)
 ではなぜ、この店で働いているのだろう。間中が勧めたのか。いや、それは考えにくい。あのプライド高い男が、愛人を銀座のクラブで働かせることなどあり得ない話だ。ならば、自分の意思でこの店で働き出したのか――。

 「だとしたら、きみは間中君があの会社を辞めたことを知っているんだな」
 佐古田は、何食わぬ顔で萌に聞いた。萌は黙ったまま頷いた。

 「やはりそうだったのか。彼は大学の後輩でね。融資の件で相談にのったこともある。だが、最近OB会にも出てこないし、自宅に電話しても誰も出ない。どうしたのかと心配してたところだ。もっとも、きみに聞いても、彼のことはもう分からないだろうな…」

 佐古田はバランタインの水割りの入ったグラスを口元に寄せた。すると萌は佐古田にもたれかけ、耳元で囁くように言った。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第11話「この不況はわが社にとって絶好のチャンスです」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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