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ナント、M&A後のビジョンが提示できない社長

「あなたの会社は将来どうなっていたいんですか」

  • 松田 大介

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2008年11月21日(金)

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 先日、知人から転職相談を受けた。筆者は自身の転職経験に加え、合併した会社の人事・採用業務に関わった経験により採用活動における人材紹介会社の利用方法等に詳しいためか、少なからず相談を受ける機会がある。しかし筆者が行う質問は基本的なもので「何で転職するの?」だったり、「転職して何をしたいの?」だったり、「転職した数年後はどうなっていたいの?」である。

 読者の皆様はご友人から転職相談を受けた時、何を聞いて、何をアドバイスするだろうか。

転職活動の例から見えるビジョンの重要性

 こんな転職相談の会話だが、これらを本コラムのテーマであるM&Aを中心とした企業活動に置き換えると大変興味深いことに気付く。

 「何で転職するの?」 → なぜ、M&Aをするのか。M&Aの目的を問う。
 「転職して何をしたいの?」 → M&A後に何をしたいのか。M&A後の戦略を問う。
 「転職した数年後はどうなっていたいの?」 → M&A後のビジョンを問う。

 転職は本人にとって人生の一大イベントである。同じくM&Aも当事者にとっては一大イベントだろう。「転職後の将来、どうなっていたいの?」という質問に答えられない求職者を面接でOKを出せるだろうか。出せないだろう。これは重要なことを示唆していると思う。

 M&A後のビジョン(=転職における「将来」の姿)を提示できるかどうかが、自分たちで考えているこれまで積み重ねてきた歴史や実績(=転職における「過去」のキャリア)や現在の強み(=転職における「現在」のスキル)以上に重要ということである。

ビジョンの策定は誰がするべきか

 けれどもM&Aではビジョンの策定が難しい。さらに策定しても浸透が難しい。筆者の感覚では、「ビジョンとは、経営企画部門などが中心になって策定をするが、現場に浸透することがあまりないもの」という少し皮肉な認識を持っている。この手の話は理想論やあるべき論では響きづらいことも、このような認識の原因になっているかもしれない。

 ここで一つ論点を挙げたい。そもそもビジョンは誰が策定して浸透させなければならないのだろうか。

 ビジョンを提示する責任を持つのは経営者である。なぜなら、その権限がある職務だからだ。例えば入社したての新卒の社員が1人で作ったビジョンに対して会社全体が賛同できるだろうか。正直、難しいと思う。それでは数人が集まってチームを組んで作ったビジョンではどうだろうか? 結論は同じだ。会社全体が賛同することは難しいだろう。なぜだろうか。

 その理由は簡単だと思う。ビジョンを提示する権限のある役職者がビジョン作りに関わっていない限りは、誰が作ろうとも会社全体の賛同は得られないのである。「ウチの会社は新入社員でも様々な考えやアイデアを受け入れている」というような会社ももちろんあるだろうし、それ自体に問題があるわけではないが、ポストM&Aのような混乱状態の現場においてはそのような考えは残念ながら受け入れづらく、その責務を負っている役職者が本来果たすべきことをしなければ、耳を傾けてくれることさえない。

経営理念は意外と、かなり重要である

 転職活動を例にして新会社のビジョンの重要性を説明すると、相手にとってはイメージが湧くらしく納得されることが多い。しかし、もっと根底にある経営理念の重要さは、同じ会社に長くいるうちにほとんどの人が感じなくなってしまっている。

 現実的には、M&Aによって新しい会社が出来た時や、吸収合併された場合、買収されて子会社になった場合など、もしくは個人レベルであれば外資系企業から日系企業への転職(その逆も該当)など、企業にとっても個人にとっても、大変化が起きない限りはその重要さに気付ける機会はないためだと思う。

 そこで極端な例を提示しながら経営理念の役割について説明したい。筆者が説明する時によく使う例えである。経営理念というものを設けずに「金儲けができれば何でも良いんだ!」という会社があるとしよう。

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