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「給料が何倍もある部下」ができる時

給与体系を巡る理想論と現実論

  • 松田 大介

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2008年11月28日(金)

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 そろそろボーナスを意識する時期になってきた。本来ならば何を買おうかなどと考える時期だが、今年は急激な環境変化によりボーナスも前年度比で少なくなってしまうかもしれない。やはり収入というのはどうしても気になってしまうものである。

 自分の収入を決めるのは勤務している会社の事業内容に大きく依存するし、給料が安ければ転職を考えてしまう時もあるだろう。本コラムのテーマであるM&Aは、異なる給与体系の会社が合併・買収という形で一緒になることであるが、「給与体系の統合」が新体制下における最大のテーマであると言って過言ではない。

 ポストM&Aの給与体系の統合はどのようにして決まるのだろうか。ここでは例として野村ホールディングスによる米リーマン・ブラザーズ(ここではアジア・太平洋部門の日本法人とする)の買収を取り上げてみたい。

リーマンと野村の合併現場をイメージしてみる

 執筆時現在、リーマン破綻の後、野村がリーマンの社員を引き留めている、というニュースが出ている。ニュースの概要を要約するならば、「企業文化が異なる」「給与体系が異なる」「引き留めのために多額の報酬をコミットしている」というところだろうか。英バークレイズ・キャピタルによるリーマン・ブラザーズ日本法人の株式部門(equities division)から100名をリクルーティングしたというニュースも出ている。リーマンの北米部門はバークレイズに買収されたため、今度はバークレイズ内でチームが作られていくのだろう。

 買収目的として挙げられているものの中に「金融ノウハウの獲得」がある。この分野のスキルは非常に属人的なものであることに加え、顧客はブランドと個人に付いているという特徴がある。そのため金融ノウハウの獲得はもちろん、顧客接点の機会さえ、野村とリーマンの従業員が交流することがなければ、なかなか獲得はできない。

 それでは「ノウハウや顧客接点の機会を獲得するためにはどのような交流方法があるか?」と具体的に考えると、組織の統合が有力な選択肢とならざるを得なくなってくるのだが、ここでイメージしてみたい。「統合後の組織とはどのようなものだろうか?」

 その組織の中には旧野村、旧リーマンの2種類が存在している。上司、部下はそれぞれバラバラ。こうなってくると「自分の給料の何倍もある部下」「自分よりもグローバルオペレーションの経験が少なく、給料も低い上司」というシーンも組織の中では起きてきて、お互いにやりづらくなってしまうだろう。

 将来的には組織や給与体系の統合の必要性は認識しつつも、当分は「暫定処理」として別々の組織で運営しながら徐々に(数年をかけて)ならしていく方法が現実的な対応策になると思う。例えばそれは3年後に人事の統一を図るという明確な方針の下で、当面は純粋持ち株会社の傘下に異なった2つの事業会社を配置するいわゆる「経営統合方式」も選択肢に含めて、である。

ポストM&Aで最大の障害となり得る“人事バトル”

 このようなM&A後の給与体系の統合に関するテーマは、「これでOK!」というような解答がないのだが、このテーマの難易度を更に上げるトピックとして“人事バトル“を追加したい。

 どのような業種のM&Aであれ、一般的にポストM&Aの現場では、合併後の新会社において新しい人事制度へ移行する時、必ず従来の変更部分が出てくる。片方にとっては雇用条件が悪化するものが出てくることも多い。これら条件を決めていくための調整を行う人事担当者や本部長クラス以上の役職者同士の交渉が、バトルになることが多いのである。

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