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【誤算の研究】HOYA

未承認事件の後遺症重く コンタクトシェア戻らず

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2008年11月17日(月)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1992年6月8日号より

 1990年にコンタクトレンズの製造・販売中止に追い込まれた。その後、懸命に立て直しを図っているが、シェア回復は進んでいない。遠因は開発偏重。窮地を脱するには時間がかかりそうだ。

(金田 信一郎)

 光学レンズメーカー、HOYAは5月14日に1991年度決算(92年3月期)を発表した。売上高は前年比2.5%増の1127億円、経常利益は同6.1%減の126億円だった。今回注目されたのは90年に発覚した未承認コンタクトレンズ製造販売事件で大幅にシェアを落とした90年度から、いかに立ち直っているかである。

販売再開、新製品発売も及ばず売上高はまだ21億円の落ち込み

 メーカー各社は、コンタクトレンズの販売枚数や売上高を公表しておらず、HOYAも例外ではない。したがって、コンタクトレンズを主力として医療用特殊レンズを担当するメディカル事業部の売上高から回復をみるしかない。

 事件が発覚した90年度は39億8600万円で、89年度の66億1700万円から大幅に落ち込んだ。91年度は45億2200万円で前期比13.4%増だが、事件発覚前と比べると、まだ約21億円も落ち込んでいる。

 90年度は主力商品のほとんどが製造を見合わせており、販売した未承認レンズの回収に追われた。ようやく91年度に主力製品が戦列に復帰した。特に最近人気の酸素を通すハードレンズ「HOYA HARD EX」や、ソフトレンズ「HOYA SOFT T40」の販売再開、新たに発売した「HOYA SOFT ACE」などで巻き返しを図ったが、及ばなかった。

 「このままではあまりにみじめ。何としても回復を目指す」(赤間春夫・メディカル事業担当取締役)と言うが、取引先の話を聞く限り、容易ではなさそう。回復が遅れそうな理由としては、HOYAに対する取引先の不信感とコンタクトレンズの特性という二つの要因が挙げられる。

 事件発覚直後、眼鏡店などの取引店には消費者からの問い合わせが殺到した。「私の使っているものは問題のレンズではないか」「もう2年間使用しているが、目には問題ないのか」といった質問から、「なぜ、こんな商品を売ったのか。責任をとれ」といったクレームまでさまざまだった。

 都内の大手眼鏡店の役員は「未承認と知っていて売ったのなら我々にも責任はあるが、実際は何も知らなかった。しかし、そんなことを言ったところでお客様には納得していただけません」と語る。同社は未承認のレンズを回収するために、ダイレクトメールを送って来店を促した。最終的には約2000人を集めた。「もうHOYAのコンタクトレンズを扱うつもりはない。扱えば店のイメージが落ちる。それでもあえて扱う必要がありますか」とまで言う。

 HOYAは「今のところ取引店数は変化していない」(西泰輔・法務担当取締役)と言うが、コンタクトレンズを扱っていなくても、洗浄剤や保存液といったケア商品だけを販売している店もあり、これらも取引店として数えられている。また、取引先には眼鏡も扱っている店が多く、HOYAの眼鏡用レンズを扱っていれば、取引関係を継続していることになる。コンタクトレンズに限れば形だけの取引店になっているケースも少なくないだろう。

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