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場当たり的な正社員の細分化は罪

平野光俊神戸大学大学院経営学研究科教授に聞く(後編)

2008年11月15日(土)

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 行き過ぎた非正規社員の活用が問題となったことをきっかけに、正社員への転換を進める企業が増えている。

 だが、その多くは合理的な裏付けがなく場当たり的。そのままでは社員の不満が募り、企業の経営にも支障が出かねない──。企業の人事管理を研究する神戸大学大学院の平野教授はこう懸念する。

 では、どうしたらいいのか。平野教授は「人材ポートフォリオ」という新しい考え方に基づく処方箋を提示する。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

平野 光俊(ひらの・みつとし)氏

平野 光俊(ひらの・みつとし)氏
1980年早稲田大学商学部卒業、ジャスコ(現イオン)入社。96年近畿四国事業本部人事部長。97年近畿カンパニー人事教育部長。98年神戸大学大学院経営学研究科で経営学博士号を取得。2000年本社経営企画室次長。2001年本社グループ戦略室次長。2002年イオンを退社し、神戸大学大学院経営学研究科助教授に就任。2006年から現職。専攻は経営組織と人的資源管理。主な著書に『日本型人事管理─進化型の発生プロセスと機能性─』(中央経済社)など
(写真:山田 哲也、以下同)

 実質的に同じ仕事をしている正社員と非正規社員との処遇格差問題を背景に、非正規社員を正社員に転換する企業が増えている。だが、非正規社員が就く正社員は以前の正社員と同じとは限らない──。

 前回にこのような主旨の指摘をしました。人事管理において人件費を増減しやすい「財務的柔軟性」や雇用調整を容易にする「数量的柔軟性」を確保する。こうした狙いから非正規社員の活用を進めてきた企業は、一度手にしたこれらの柔軟性を失いたくない。そこで、以前は1つのカテゴリーにくくっていた正社員を複数のカテゴリーに分けることに取り組み始めています。

 つまり、正社員を細分化し、その処遇を多様化することで、財務的柔軟性を維持しようというわけです。非正規社員の正社員化も、こうした正社員の区分の見直しに組み込まれている。ですから、冒頭のような指摘をしたのです。

 世界的な金融危機に伴う景気の悪化に見られるように、企業を取り巻く環境は大きく揺れ動いています。そうした環境変化への適応力を高めるには、正社員の多様化によって人事管理の柔軟性を保つことは必要でしょう。

正社員の区分に合理性がない

 ただし、正社員の区分を見直している企業の先行例を見ると、区分のあり方にはいくつか問題があります。

 まずは、正社員の細分化がきちんとした方針に基づいて行われていない。新たな区分に合理的な根拠が見当たらないことが多いのです。

 非正規社員の正社員化にしても、以前からの正社員と同じ処遇を与えたくないから、ひとまず新たな正社員の区分を設けた。だから、新設した正社員の位置づけや処遇の根拠が明確ではない。そんな場当たり的な決め方が少なくない印象を受けます。

 極端なことを言えば、ここ数年は業績が好調で余裕が生じたから、非正規社員を正社員にして賃金も多少引き上げた。これでは、業績が悪化したら、正社員に転換した人たちを再び非正規社員に戻すといったことも起こりかねません。

 やはり、合理的な裏付けがないといけません。「なぜ私はこの区分なのですか」と社員から問われて明快に答えられないようでは、社員たちは納得せずに不満を募らせるでしょう。それが高じれば、職場の士気が低下する恐れもあります。

最適な組み合わせを目指す「人材ポートフォリオ」

 では、社員の区分を合理的に決めるにはどうしたらいいのでしょうか。それを実現するための新たな人事管理の考え方として、注目を集め始めているのが「人材ポートフォリオ」です。

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「場当たり的な正社員の細分化は罪」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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