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【誤算の研究】ダイハツ工業

開発偏重で高コスト体質 RVもニーズ読み違え

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2008年11月21日(金)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1993年3月1日号より

 1993年3月期に上場以来初の赤字に。名門意識と極端な開発重視の姿勢が高コスト体質、販売軽視につながった。提携するトヨタとの棲(す)み分けも含め、大胆なリストラを迫られている。

(三橋 英之)

新型シャレード独力で「トヨタと部品共用」の発想なし

 1月29日、東京都港区のイベントホールで開かれた新型「シャレード」の発表会。豊住崟社長を筆頭に9人のダイハツ工業役員が顔をそろえ、販売不振に悩む同社の新型車にかける期待の大きさを示していた。

 だが、役員の一人はお披露目の席に似つかわしくない反省の弁を口にする。「スズキは提携先のGM(ゼネラル・モーターズ)の技術協力を得て(小型乗用車の)『カルタス』を作った。ところが、うちは何でも独力でやろうとする。力を過信し、実力以上のことをやろうとしてきたのかもしれない」。

 シャレードは軽自動車中心のダイハツにとって数少ない小型乗用車の主力。コスト削減のために以前から、筆頭株主であるトヨタ自動車との共同開発や部品共用化の必要が指摘されていたが、今回は一切見送られた。「シャレードの開発はバブル華やかなりしころに始まった。業績もよく、トヨタとの部品共用、共同開発という発想がそもそもなかった」と豊住社長は説明する。

ライバル,スズキとの格差くっきり

 どしゃ降りの新車販売に各社とも苦戦を強いられているが、中でもダイハツの不振ぶりは目立つ。軽自動車の92年の販売台数は40万8234台。前年比9.1%の減少幅は市場全体の落ち込み(7.1%)を上回る。

 軽トップのスズキが前年比6.0%の減少にとどまったため、2位のダイハツはさらに水を開けられてしまった。軽以外の登録車でも前年比28.5%と全自動車メーカー中、最大のダウンとなった。

 この結果、93年3月期の経常損益は50億円の赤字となる見通し。上場以来初の赤字転落で、「大反省の時代を迎えている」(前出の役員)。

 その一つが行き過ぎた技術重視への反省だ。好例がジープタイプのRV(レクリエーショナル・ビークル)「ロッキー」の低迷だ。不振の自動車販売にあってRVは唯一気を吐いている。ロッキーの発売は3年前の90年6月。これに2年先立ちスズキもジープタイプの「エスクード」を発売している。ともに排気量1600ccでガソリンエンジン搭載の四輪駆動車だが、エスクードの92年の国内販売台数が2万8053台なのに対してロッキーは2150台。はっきりと明暗を分けた。

 販売当初、ロッキーにはマニュアルミッションしかなかった。サスペンションも本格的なオフロード走行向けに頑丈な設計になっている。いわば一握りのマニア向けの車といったイメージ。一方、エスクードは格好こそオフロード車だが、市街地走行に向いた乗用車的な車である。この性格の違いが販売台数の差を生んだ。

 RV人気のかなりの部分はファッション性の高さに支えられており、使われ方もオフロードより市街地走行が主だ。ジープタイプでもイージードライブが必須条件で、オートマチック(AT)搭載車の比率が7割に達している。

 ところが、ダイハツの開発陣はかたくなに「本格派」にこだわった。その結果がユーザーニーズとの乖離(かいり)である。営業サイドの声に押されて、昨年6月にようやくAT車を加えたが、ばん回には至っていない。「うちのエンジニアはまじめすぎる」と技術部門担当の古庄宏輔専務は苦笑するが、売れ筋のRVを持ちながら、ほとんど収益に貢献させられなかった失敗は痛い。

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