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【誤算の研究】三菱マテリアル

「素材の百貨店」が裏目 合併効果出る前に総崩れ

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2008年11月25日(火)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

1993年10月18日号より

 三菱金属と三菱鉱業セメントが合併して12月で3年になるが、合併効果が表れる前に、不況に直撃された。当初の「素材の百貨店」を目指した拡大戦略は宙に浮き、応急策に追われている。

(黒沢 正俊)

需要減退、円高、非鉄市況悪化 三重苦を背負い「危機宣言」

 昨年冬、NECのボーナス現物支給が話題になった時、三菱マテリアル社内では、旧三菱金属時代の1974年からの経営危機を思い出す人が多かった。第1次石油危機後の長期不況は、同社の精錬、加工事業の収益を急速に悪化させ、75年1月には非鉄業界内に「三菱、手形不渡り」とのうわさも流れたほどだ。

 74年12月のボーナス支給時に会社側は、膨れ上がった銅の在庫処理と運転資金確保のため、社員に銅を販売した。ボーナスの現物支給とは違うが、実態はほとんど同じ。1トン40万円の銅を買ったという管理職は「買った直後から市況が下がった。会社が買い戻してくれた5年後まで持っていた人は、市況の上昇で金利分も含めて回収できたが、途中で売った人は損をした」と当時を振り返る。

 戦後の財閥解体による分離以来、40年ぶりに合併を果たした同社は、3年目を迎えて深刻な需要減退、円高、非鉄市況の悪化の三重苦で業績が急速に悪化している。9月9日、藤村正哉社長は、社内報を通じて社員にこう呼び掛けた。「三菱マテリアルが発足以来初めて逢(ほう)着する危機的状況と言っても過言ではない」と。

中期計画の数値目標も宙に浮く

 こうした危機宣言は、第1次石油危機以来のものだ。合併した直後に策定した中期5カ年計画「MAX21」では、95年度の売上高を1兆4000億円、経常利益は600億円という目標を設定していた。

 しかし、10月1日に発表した今期見通しでは売上高は前期比約6%減の7000億円、経常利益は同60%減の40億円に下方修正された。売上高は、中期計画の約半分の水準に低迷し、経常利益も10分の1以下という状況にある。

 同社はすでに当初の中期計画を2回下方修正したが、それ以上に状況が激変したため、年内に抜本的に計画を見直す予定だった。しかし、予想を超える業績の悪化のため、見直し作業自体が難しい状況に追い込まれている。

 中期計画担当の福地淳二専務(社長室長)は「94年度から5カ年計画を設定し直す予定だったが、今の状態ではできない。ユーザー産業の動向が不透明だからだ。とりあえず今期と来期の応急策を実施していく」と苦衷を語る。

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