前回に神戸大学大学院の平野光俊教授が語ったように、「人材ポートフォリオ」という新たな人事管理の考え方が注目を集めている。
企業の戦略やビジョンに連動して人材の最適な組み合わせを考えていくというもの。そうした取り組みをいち早く始めたリコーでは、7タイプもの異なる人材の育成を同時に進めている。
同社ヒューマンキャピタル開発部の橋本知明部長は「さらなる成長を目指すには、従来とは異なる人材の育成が欠かせない」と強調する。成長を引き出す7タイプの人材とは。
橋本 知明(はしもと・ともあき)氏
1981年リコー入社。2005年6月人事本部能力開発室長。2008年6月から現職
社員の中から7タイプの人材を輩出する──。リコー7752はこんな人材育成の取り組みを2006年度から始めました。
7タイプの人材とは、次のようなものです。まずは、事業部門のトップと人事、総務、財務といった機能別組織のトップに立つ2種類の「ビジネスリーダー」。
次は、新規事業立ち上げのプロジェクトを統率する「新規事業創造リーダー」です。
一方、専門職のリーダーとしての役割を果たすのが、「高度スペシャリスト」と「プロフェッショナル」です。
高度スペシャリストはその名の通り、高度な専門知識を駆使して専門分野を究めていく人です。これに対してプロフェッショナルは、技術営業を手がけ、顧客のニーズに応じた技術を開発する。専門職のリーダーと言っても、両者にはこうした違いがあります。
これらの5つのタイプのほかに、さらに「プロジェクトマネジャー」と「マネジャー」があります。
成熟化を打ち破るにはこれまで通りではダメ
これらの7タイプに分かれた多様なリーダーを並行して育てようというわけです。タイプに応じて育成方法や処遇の仕方が変わってきます。管理職という「単一」のリーダーしかいなかった以前に比べて、人事制度は複雑になります。
それでも始めたのは、当社がさらなる成長へと舵を切ったからにほかなりません。
実は7タイプの人材は、各部門に対してヒアリングした結果がベースになっています。中期経営計画の目標を達成するために、どのような人材を必要としているかを聞いた。その結果を集約したところ、浮かび上がってきたのが7つのタイプだったのです。
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