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第8講 苦しい時こそ「考える」より「動く」

2008年11月29日(土)

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 堤陽子は、埼玉県の高校を中心に、アセスメントを通じたコンサルティング営業を担当している。

 「日本の教育現場のカイゼンに自分が役立ちたい」――

 そう強く願って、通信教育や、教育に関する出版事業などを手掛けるベネッセコーポレーション9783に入ったのは昨春のことだ。

 堤が自分の仕事に「教育」を意識し始めたのは、大学時代にアルバイトで予備校の講師をしていた時だった。人に物事を教えて、その人が知識を習得し、無事に念願の大学へ入ってくれることが何よりもうれしかった。

 そして教育を自分の仕事にしたいと本気で考えるようになったのは、大学4年生の時だった。

 早稲田大学国際教養学部教授のカワン・スタントとの出会いがきっかけだ。「教育」に関心を示した点では同じだが、その理由は180度違う観点によるものだった。

 受験に合格するのがすべて、という塾講師から、受験だけがすべてではないというスタントの考えに共鳴しての変革である。

 「日本の教育現場の改革を、たった1人で実行しようとしているスタント先生を見て、日本人である自分が動かずにいられなかった」と堤は振り返る。

「合格すれば何かが変わる」の幻想

 時計の針を少し戻そう。2004年秋のこと。早稲田大学第二文学部(当時、2007年に第一文学部と統合)3年生だった堤は、早大と提携するイタリアのヴェニス国際大学に留学していた。

 大学の4年間で、何か1つのことでいいから成し遂げたいと思っていた。だが、2年生になろうとする時、今のままでは何もできないまま4年間が終わってしまうという不安に駆られた。

 そんな思いから、留学を決意する。大学からの交換留学生は数が限られている。TOEFL(Test of English as a Foreign Language)の点数や、学業での成績が問われる。それだけではない。1年間の留学で150万円の費用が必要だった。

 留学は自分の意志であり、その実現は自分の力で掴み取ると、アルバイトにも精を出した。入ったサークルを1年足らずで辞め、予備校の塾講師などで2年近くかけて150万円を貯めた。

人生に必要な知識との出会い

 なぜ、留学を希望したのか。そう問えば「自分に自信をつけたかったから」と堤は答える。

 自分には、これという自慢が特にない、と堤は感じてきた。そして、そうした自分に不満や不安を持ちながら、大学生活も送っていた。

ヴェニス国際大学では、時には外で講義を行うこともあった

 しかし、晴れて早稲田のキャンパスに通うことになっても、すぐには、自分に対する不満や不安を払拭するものを見つけられなかった。「海外に行けば、変わるかもしれない」。堤が留学を決意したのは、多くの大学生が考える、「大学にさえ入れば変わる」という思考に似ていたか。

 そんな思いを持ちながら一念発起して留学した堤。語学やコミュニケーションなど不慣れな生活を送りながらも、必死に食らいついてきた。

 イタリアに渡ってから半年近くが経過した2005年の春。海外の文化や生活を受け入れ、ようやく自分に自信を持ち始めてきた中で、堤は早稲田からヴェニス国際大学に派遣されてきたスタントと出会う。

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「第8講 苦しい時こそ「考える」より「動く」」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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