「「熱い職場」の作り方」

組織化されない“混沌”、それが会社の活力

小僧コム---平松庚三会長

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2008年12月3日(水)

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 日経ビジネスは11月24日号の特集で、「縮み志向を吹き飛ばせ!熱い職場」と題して従業員の士気の問題を取り上げた。連動インタビューとして、企業トップや現場のリーダーの声をお届けしていく。シリーズ第8回は年長者向けのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を展開する小僧コムの平松庚三会長。
 ライブドア(現LDH)の元社長と言った方が分かりやすいだろう。ソニーを起点に、ベンチャー組織から大組織の管理を経験してきた。「人材育成をしたら、大きな仕事を任せよ」と説く。

 思えば、日本企業に「いけいけどんどん」という面が失われていっています。2006年1月のライブドア事件までは、ベンチャー企業の熱さに見習おうという機運もあったのですが、景気が悪化傾向にあり、なおさら良くないスパイラルに入っています。

 社員が自由奔放に、仕事に打ち込む熱い組織。いけいけどんどん自体に誤りはないのです。

「アンオーガナイズド・ケイオス」の良さ

平松庚三(ひらまつ・こうぞう) 1946年1月、北海道生まれ。早稲田大学文学部中退。米アメリカン大学卒業後、73年、ソニー入社。86年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルジャパンに入社。IDGコミュニケーションズジャパン、AOLジャパンの社長を経て、米インテュイット日本法人(現弥生)社長。2004年、弥生はライブドア傘下に入り、2006年1月にライブドア社長。2008年1月、SNSの小僧コム会長に就任した。(写真/いずもとけい)

平松庚三(ひらまつ・こうぞう) 1946年1月、北海道生まれ。早稲田大学文学部中退。米アメリカン大学卒業後、73年、ソニー入社。86年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルジャパンに入社。IDGコミュニケーションズジャパン、AOLジャパンの社長を経て、米インテュイット日本法人(現弥生)社長。2004年、弥生はライブドア傘下に入り、2006年1月にライブドア社長。2008年1月、SNSの小僧コム会長に就任した。(写真/いずもとけい)

 ライブドア(現LDH)との出会いは私にとっては非常にラッキーでした。若い連中と一緒にやって、60代に一番成長したと思います。堀江貴文元社長兼CEO(最高経営責任者)が2006年に逮捕されたのは本当に大変なことでした。精神的にも、肉体的にも死ぬかと思った時もありました。しかし、私にとっては貴重な経験でした。

 ライブドアは、向かうべき方向を明確にしていました。インターネットの世界で、圧倒的にナンバーワンになろうとしていた。

 私はライブドアの関連会社の社長でしたが、2004年に傘下に入って以来、本体とのビジネス上の接点は意外と少ないものでした。週に1回、1時間ほどの経営会議に出ていただけ。お互いの関係がその程度だとしても、成長企業と併走することで、自社の成長のスピードを上げられることを期待していました。有形無形の効果があるだろうと。

 実際、フロアは一緒でしたから、「熱さ」を間近に感じることはできました。相次ぐ企業買収、近鉄球団の買収などの手を次々と打っていました。

 いわば「組織ありき」ではなく、「目標ありき」「戦略ありき」という考え方で会社が動いていました。日本は組織ありきになりがちです。例えば、地方自治体が、人口当たりに美術館が多いと誇るのもそうかもしれません。中に飾るものありきというよりも、美術館ありきというイメージがある。ライブドアはそうではありませんでした。

 ノーベル物理学賞を取った江崎玲於奈さんが、「オーガナイズド・ケイオス(組織化された混沌)」と言いました。活性化された組織の条件についてです。構成員が自由奔放にしている一方で、組織全体としては管理が行き届いている。

 それに対して、ライブドアは、「アンオーガナイズド・ケイオス(組織化されない混沌)」と言うべきでしょうか。従業員が自由奔放に仕事を進め、会社としても自由に動いた。まさに、いけいけどんどんだったのです。

 事件の後は、ライブドアの組織風土は180度反対になりました。「火中の栗を拾った」と言われましたが、むしろ素晴らしい仕事を得たと言った方がいい。

 私自身はコーポレートガバナンスやコンプライアンスを認識していましたが、身についていたかどうかは別問題でした。上場会社を経営した経験はありませんでしたし、証券取引法にも疎かった。従来、外資系IT(情報技術)企業の“雇われ社長”でしたので、経営のゴールは営業利益を上げることにほかならなかったのです。

 私は部下を雇う時に、3つの条件を設定しています。専門分野で自分よりも知識や経験が優れていること。必要な時に私に「ノー」を言えること。個人的な友人ではないことです。ライブドアには事件前に「これでいいのかな」と言う人が誰もいなかったことは問題でした。

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このコラムについて

「熱い職場」の作り方

日経ビジネス11月24日号では、「縮み志向を吹き飛ばせ!熱い職場」と題して、特集記事をお届けします。景況感の悪化を受けて、企業はリストラを加速させようとしています。しかし、暗い話題が多い中で、むしろ従業員の士気に配慮することの大切さを伝えます。職場を活性化させて、業績を向上させようとする企業を通して、“熱い職場”の意義を考えます。この特集に連動して、経営者や職場のリーダーのインタビューを連続でお送り します。

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