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「適材適所」ではリーダーは育たない

中島正樹
マーサージャパンプリンシパルに聞く(後編)

2008年12月6日(土)

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 リーダーの候補者を選抜し、研修や計画的な異動によってリーダーシップを磨いていく。こうしたリーダーの選抜・育成に多くの企業が乗り出している。

 だが、この“直線的”な方法で育つリーダーは均一になりやすく、組織ごとに異なるリーダーが求められる現実に対応できない。中島氏はこう警鐘を鳴らす。

 では、どうしたらいいのか。多様なリーダーの輩出につながる「加速器モデル」の採用を、同氏は提唱する。

(本誌による要約日経ビジネスマネジメント 中野目 純一)

中島正樹(なかじま・まさき)氏

中島正樹(なかじま・まさき)氏
日本開発銀行(現日本政策投資銀行)、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどを経て現職。一橋大学商学部卒業。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経営大学院でMBA(経営学修士号)を取得。

(写真:都築 雅人)

 組織の目的が、一定の成果を安定的かつ効率的に出していくことなのか。それとも、前例のない全く新しいものを作り出すことなのか──。

 大きく2つに分けられる目的に応じて、組織の形態や運営の仕方は変わり、組織を率いるリーダーの要件も違ってくる。前回にこう主張しました。

 ところが、この点を意識した組織作りや組織の運営を行っている日本企業は、まだ見当たりません。このことを端的に示しているのが、企業におけるリーダーの育成方法です。

「定番」となったリーダー選抜・育成の問題点

 日本企業の間で最近よく行われているリーダーの育成方法は、次のようなものです。一定の基準でリーダーの候補者を選抜する。そして、研修や主要ポストへの配属を通して、候補者のリーダーシップを磨いていく。

 このように選抜と育成を繰り返して、経営トップの候補者を絞り込んでいく。この方式は、日本企業の「定番」となった印象さえありますが、いくつかの問題点があります。

定番化した「選抜」「開発」によるリーダー育成プログラム

 まず選抜のための基準が抽象的なことが多い。例えば、「構想力」や「実行力」といったものを基準にふるいにかけようとしますが、これらの言葉の意味は実は曖昧です。

 定義やレベルを明確に示さないと、選ぶ側は自信を持って選べない。ふるいにかけられる側も、結果に納得がいかないでしょう。

 一方で、基準をたくさん設けすぎている場合もある。そうなると、ほかに欠点はあるけれども、ある面では突出して秀でているような人材が選抜から漏れてしまう。その結果、ずば抜けて優れているところはないけれどもバランスの取れている人ばかりが、候補に残ることになりかねません。

 また、選抜から漏れた社員のモチベーションが著しく低下する可能性も否めない。

ビジョンや構想力の醸成が大きな課題

 問題点はまだあります。研修が実践的でないことも、その1つですね。

 米国企業で行われている「アクションラーニング」を採用すれば、実践的になるという意見もあります。実際の事業で抱える課題を受講者に与えて解決策を考えさせるからです。ただ、日本企業でこれをうまく実施している例はなかなか見当たりません。

コメント3件コメント/レビュー

記事を拝見し、まさしくその通りと感じています。景気の減速傾向が明らかになり、リソースがダブつく今こそ次世代育成に絶好の機会と感じ、1年前から所属するグループ内で育成に取り組みました。育成の成果は出つつあり、確かな手応えを感じています。ただ、「守り」のリーダー層と「守り」の人事システムの下では、形式化された評価に阻まれ、より高度な成長機会を与えることができずにいるのも、まさしく記事で書かれている通りです。昨今の内定取り消しの問題を見るにつけて、「守り」のリーダーは10年前と同じ過ちを犯そうとしているようにも感じられ、せっかく育てた若い世代へのしわ寄せが来るのではないかと気がかりでなりません。トップが変わらなければ変えようがない、というのはよく言われていることですが、ボトムアップで「攻め」に転じさせる妙案など無いものでしょうか。。。(2008/12/08)

「ポスト成果主義 スタンドプレーからチームプレーに」のバックナンバー

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「「適材適所」ではリーダーは育たない」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事を拝見し、まさしくその通りと感じています。景気の減速傾向が明らかになり、リソースがダブつく今こそ次世代育成に絶好の機会と感じ、1年前から所属するグループ内で育成に取り組みました。育成の成果は出つつあり、確かな手応えを感じています。ただ、「守り」のリーダー層と「守り」の人事システムの下では、形式化された評価に阻まれ、より高度な成長機会を与えることができずにいるのも、まさしく記事で書かれている通りです。昨今の内定取り消しの問題を見るにつけて、「守り」のリーダーは10年前と同じ過ちを犯そうとしているようにも感じられ、せっかく育てた若い世代へのしわ寄せが来るのではないかと気がかりでなりません。トップが変わらなければ変えようがない、というのはよく言われていることですが、ボトムアップで「攻め」に転じさせる妙案など無いものでしょうか。。。(2008/12/08)

金融業務の拡大に邁進してきたGEはすでにビジネスモデルの見直しを表明しているし、マイクロソフトの業績はビル・ゲイツがいなくなったら低迷つづき。幹部養成システムを最適化するとこうなるのですか?(2008/12/06)

問題意識には賛同するが、その後に続く育成方法論には賛同できない。GEやMicrosoftのトップが40代であることを傍証としたり、問題を裏返した方法論で、その効果を謳うのは飛躍がある。誰が研修を行うのか?企業の入ってからの研修で社員のメンタリティがどこまで変わるのか?欧米社会、家庭、教育制度を通して培われたメンタリティと異なる企画力や発想力を会社に導入するのはたやすいことではない。研修を受けた瞬間に納得しても、職場に戻って効果を持続させられるか?(2008/12/06)

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