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【誤算の研究】アイワ

黄金時代築いた天才経営者去り、策打てず
変化に対応できぬ生産体制、またもソニー頼み

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2008年12月8日(月)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

2000年12月4日号より

かつて円高を海外生産で克服、音響メーカーの優等生と言われたアイワ。
ところが、2000年9月の中間決算で、68億円の経常損失に転落した。
原因は急激な為替変動と部品不足と言われるが、問題の根源は別だ。
過去の成功モデルに対する逆風に、硬直した体制が対応できなかった。
アイワに何が起こったのか。凋落までの流れと改革の可能性を探る。

(川上 慎市郎)

 アイワの国内唯一の生産拠点、アイワ岩手。クリスマス商戦向けの出荷もそろそろ終盤という11月上旬、プリント基板実装機の脇に、まだ少ししか部品を挿入されていない基板が山積みになっていた。

 「実装工程の仕掛かり在庫だけで約2週間分あります。今は他の工程の部品が足りなくて、加工ができないんです…」。アイワ岩手の加藤了取締役は、残念そうに基板の山を見つめる。

 今年の夏以降、世界中のアイワ製品の工場で同じような光景が見られた。倉庫に山と積まれた部品と、わずか数種類の半導体チップの入荷遅れのために、停止したままのベルトコンベヤー。対田恒雄副社長は「今年7月以降、生産が滞ったのは、アイワが生産を外部委託している工場でもほぼ同じ状況。一部の部品不足で、約2割の製品が予定通りに出荷できなかった」と説明する。

 年間の製品出荷の約半分を占める7~9月に製品の2割を出荷できなかったという“傷”は、あまりに深い。

 アイワの財務諸表によれば、2000年9月中間決算(連結ベース)の棚卸し在庫の額は、前年同期に比べて262億円増の975億7700万円。2000年度の連結売上高見込みの3.7カ月分に上る。しかもアイワは、全製品の約50%を外部の完成品メーカーに生産委託しているため、委託先で滞留した部品在庫はアイワのバランスシートに含まれていない。つまり、実質的な部品在庫はバランスシートに表れている分の2倍あったことを意味する。

 アイワ関係者によれば、クリスマス向けの生産がピークに達するこの時期の製品在庫は1カ月強あるのが普通。だとすれば、外部の生産委託先も含めたアイワの全生産拠点には、今年の9月末時点で3.7カ月から約1カ月の製品在庫を引いた残りのほぼ2倍、すなわち年間売り上げの約5カ月分に相当する部品在庫があったわけだ。

 商品ラインアップの移り変わりの激しいエレクトロニクス分野の企業が、もし半年分の仕掛かり在庫を抱えていたとしたら、それは「危機的状態」としか言いようがないだろう。

 しかし、あるアイワ幹部OBは「今のアイワの生産の仕組みは、構造的にこれだけの在庫を抱えるようになっている」と証言する。

“勝利の方程式”が逆回転

 アイワは日本を含むアジア4カ国に自社の生産拠点を持つほか、台湾や中国の完成品メーカーに生産を委託している。委託先の生産計画は4カ月先までを予約し、生産に必要な部品もICチップやコンデンサーなどアイワ自身がまとめて購入する一部の主要部品を除けば、これらの完成品メーカーが自前で調達する契約だ。

 だから、アイワ自身が一部の部品調達に支障を来してその他の部品の発注をやめても、完成品メーカーやアイワの海外工場が既に契約した部品の納入が止まるのは4カ月後になってしまうわけだ。

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牛島 信 弁護士