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中国の皆様、日本流の結婚式サービスはいかがですか?

日本式サービスの海外進出の“ツボ”は「小さな投資で大きな教訓」

  • 新井祥子

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2008年12月18日(木)

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 サービス業の海外展開は難しい。どのようなサービスが市場でウケるか簡単には分からない。勝手の分からない国で良いサービスを提供する人材やその人材をマネジメントする人材を確保することも容易ではない。レストランなど「もの」が伴う業態を別にすれば、日本のサービス業で海外展開が成功している事例は意外に少ないと言えるだろう。

 ワタベウェディングは、35年も前から海外挙式市場をにらんで海外展開を行い、現在では数多くの海外拠点を持っている、非常に有力な企業である。しかし、この展開の仕方は顧客があくまで日本人であるという点において、本当の意味での「海外展開」ではないだろう。

 そのような中、同社の第2の海外展開は上海・香港から始まった。上海や香港の外国人挙式市場に向けたサービスの提供で、より深化した海外展開を狙う。

35年前にハワイに進出

 ワタベウェディング(本社京都府)は、35年前にハワイに進出し、現在ではアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国に海外拠点を有している。特に海外挙式に強く、豊富な海外拠点を武器に海外挙式コーディネートサービスを展開している。

 従来は国内の人を対象としたビジネスであったが、近年、上海の5つ星ホテル「オークラ ガーデンホテル上海」に店舗を構え、現地の人をターゲットとした挙式サービスを開始した。

 もともと貸衣装店であった同社が35年前にハワイ進出した際は、日本人の海外挙式はニッチマーケットであった。いち早く進出したため、海外挙式というマーケットの中では右に出るものはいなかった。

 1つの転機はバブル崩壊後に訪れた。1980、90年代は仲人を立てて結婚式を行う例が東京でも8~9割あったのが、90年代を境に急速に変化し、現在では仲人を立てる人は政治家など特殊な職業の人を除いてほとんど見られなくなるなど、「家」と「家」の「儀式」から個人のイベントへと変化していった。

 更に、結婚式に関する様々な情報を紹介する雑誌、ウェブサイトの登場と海外挙式ブームを迎えたこの時期は、いち早くハワイ進出をしていた同社にとっては拡大のチャンスとなった。それまではハワイとサンフランシスコの2店舗展開だったが、毎年1~2店舗のペースで拡大、2000年にはほぼ市場を独占し、海外挙式が年間6万組という規模にまで広がった。

 苦渋の時は2001年から。9月以降は米国のテロの影響でキャンセルが相次ぎ、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)では海外旅行者が減少して大きな打撃となった。これを機に同社は海外一辺倒だった事業を国内にも向けて、バランスのとれた経営を目指し大きな方向転換を図った。

 まずは海外のノウハウを生かして沖縄などの国内リゾート地への進出、国内最大級の総合結婚式場「目黒雅叙園」の買収、そして2008年10月には日本郵政より「メルパルク」11施設の運営を受託している。ここ最近は石油価格高騰による燃油サーチャージの影響もあり、国内挙式が伸びているという。

香港から上海へ。中国本土のマーケットを狙う

 同社が現在力を入れているのは中華圏マーケットの拡大である。

 2007年10月に香港に1号店をオープンし、香港の人の海外挙式を専門とするサービスを開始した。香港の婚礼市場は大きな市場ではないが、それでもオープンに踏み切ったのはグアム店に香港からの顧客の問い合わせが増加していたため。香港は親日的で顧客の特性やニーズとの親和性が高いため、サービスを始めやすいと考えた。

 サービス開始前には、1年半の市場調査を実施。香港は所得水準が高いため、日本で提供しているサービスをそのまま英語や中国語に翻訳し、現地の人を雇用し、日本と同じ価格帯で販売してみたところ、通用することが判明したという。この調査を通じて、香港の婚礼市場に高い潜在性ニーズを認め、進出を決定した。

 現在では年間約300組の利用を計画しており、特に沖縄が人気だそう。沖縄と香港は直行便があり、2時間で移動ができる。香港から沖縄への「海外挙式」も同社の沖縄拠点でサポートできる。中長期的には中国本土のマーケットを意識している。香港からは上海、台湾へも情報が流通しやすく、香港で受け入れられるものは台湾や中国本土でも受け入れられると見込んでいる。

上海では、上海の高級ホテルと提携

上海では、上海の高級ホテルと提携

 上海の場合は、上海人の上海における結婚式が対象。「オークラ ガーデンホテル上海」内に店舗を構え、現地で職員を雇って日本で研修を行い、同ホテルで行われる挙式のコーディネートサービスを提供している。

 上海でのビジネスが軌道に乗ったのは、“オークラ”(ガーデンホテル)という良きパートナーとの縁が大きいという。同ホテルは上海でも有数の高級ホテルで、その顧客層は同社のサービスがターゲットとする層に合致している。また、挙式を行うホテルというハード面を確保することで、一定の量の顧客を安定的に確保できる源となった。

 上海では、現地の人材を採用し、日本で研修を行ったり、日本への留学生を採用したりしている。特に留学生は日中関係を改善する日本と中国の懸け橋になりたいと思い、平和の象徴である結婚式を通じてその志を達成しようとする人が多いそうだ。

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