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【誤算の研究】米ギャップ(大手衣料品小売り)

ブランド過信が自滅招く

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2008年12月11日(木)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

2002年6月17日号より

米衣料最大手、ギャップの売上高と利益の落ち込みが止まらない。
躍進の立役者、ドレクスラーCEOも突然退任を表明、経営は迷走状態に。
既に格付けは「投機的」レベル、再建への道のりは険しい。

(酒井 耕一=ニューヨーク支局長)

 今年5月10日午後10時過ぎ、米ギャップ(本社カリフォルニア州サンフランシスコ市)の社員、アルバームズ・ビラロボス氏はホテルの一室で、1人の男性と向き合っていた。

社員がCEOに直訴したが…

 相手は自社の社長兼最高経営責任者(CEO)、ミラード・ドレクスラー氏。ビラロボス氏は、自社の製品の問題点をCEOに直接言う機会を探していた。そんな時、自社の株主総会が自分の支社があるニューメキシコ州アルバカーキで開かれることになり、ビラロボス氏は社員株主として会場に乗り込んだ。ギャップのTシャツを持ち込み、それらをドレクスラーCEOに示しながら、商品の改善を訴えた。

 「了解。改善を約束する」

 ビラロボス氏の意見を聞き、ドレクスラーCEOは参加した100人の株主の前でこう繰り返した。その答えを聞いて「話して良かった」とビラロボス氏は笑顔を見せ、総会を後にした。

 ところが、それからわずか11日後、ギャップの社員や株主は、ドレクスラーCEOからの思わぬ言葉を聞くことになる。それは「後任が見つかり次第、CEOを辞める」というもの。ドレクスラーCEOは社員や株主との約束を果たす前に退任を選んだのだ。

 CEOの突然の退任宣言が示すようにギャップの経営が揺れている。

株価も売上高も下落

 2002年2月期の年間売上高は138億4700万ドル(約1兆6890億円)と前年比で1%増えたが、純損益は776万ドル(約9億4600万円)の赤字に転落。既存店の売上高は過去24カ月連続で前年を下回り、止まる兆しが見えない。2000年4月に50ドルをつけた株価も、今は14ドルにまで下がっている。

 大手格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今年2月にギャップの格付けを「投機的レベル」にまで下げ、社債の価値は「紙切れ」扱いされているほどだ。

 ギャップが飛ぶ鳥を落とす勢いを誇っていたのは、1990年代後半のこと。97年に「カーキパンツ」が大ヒット、一気に米国を代表する衣料品チェーンに躍り出た。カーキパンツはどこにでもある商品だが、ギャップはあえてテレビCMを通じて大々的に宣伝。カーキパンツに白や水色の単色のシャツを組み合わせる「さりげなさ」がおしゃれと訴えた。

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