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【誤算の研究】フューチャーシステムコンサルティング

“常勝”会社に初の試練

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2008年12月12日(金)

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 日経ビジネスは2009年10月に創刊40周年を迎えます。そのカウントダウン企画として、過去の記事の中から、人気シリーズ企画「誤算の研究」を毎日掲載していきます。企業戦略の現実は理論書の通りには進みません。戦略の本質は、むしろ誤算の中に隠れています。その後の成長を確実なものにした企業あり、再編の渦に巻き込まれて消滅した企業あり、ケーススタディーの対象は様々です。記事に描かれているのは過去の出来事とはいえ、時代を超えた企業経営の指針が読み取れるはずです。

* * *

2003年3月31日号より

1989年の創業以来14期連続で増収増益のベンチャーがつまずいた。
同社が支援してきた総額1000億円の情報システム開発が頓挫したのだ。
初めて事実上の契約打ち切りを経験。ベンチャーの雄に何が起きたのか。

(杉山 俊幸、多田 和市=日経情報ストラテジー)

 1989年の創業以来14期増収増益を続けている急成長企業、フューチャーシステムコンサルティングが、2003年6月中間期に初めての減収減益になる見通しだ。

 フューチャーは、情報システムのIT(情報技術)コンサルティング会社。企業が情報システムを開発する際、設計・構築を円滑に進めるために支援するコンサルティングと、実際のソフトウエア開発を担う。1999年6月にジャスダック市場に上場し3350万円の初値をつけて一躍有名になり、2002年6月には東京証券取引所1部に上場するなど、トントン拍子に階段を駆け上がってきた。

 単体の売上高109億4600万円(2002年12月期)に対して経常利益18億8900万円と、抜群の収益性を誇っている。2ケタの増収増益基調はまだまだ続くと見られていた。

 フューチャーの快進撃に待ったをかけたのは、総額1000億円と言われる大規模情報システムの開発中断だった。コンサルティングを担ったフューチャーの契約が事実上打ち切られたのだ。情報システムが完成しない段階で開発を中断せざるを得なくなったのはこれが初めてだ。しかも、プロジェクト管理は杜撰だったという屈辱的な評判まで立ってしまった。フューチャーにとっては初めての挫折だ。2003年上半期の減収減益は、こうしたことの影響による。

事実上の契約打ち切り

 それまでフューチャーは、情報システムの発注者である顧客企業にとって極めて頼りになる存在だった。コンピューター会社と交渉して、情報システムにかかる費用を従来の半分から3分の1に下げさせたり、新しい技術を導入させて使い勝手の良いシステムを作らせたりと、徹底して顧客のメリットを追求してきたからだ。

 フューチャー快進撃の秘密は、顧客企業の社長の隣に座るという絶好のポジションを見いだしたことにある。多くのコンサルティング会社がコンピューターのハードウエアの代理店になって売上高を稼ごうとしているが、フューチャーは「メーカーに対して強く出るために代理店にならない」という姿勢を貫いてきた。ハードウエアを値切るためには決してメーカーのひもつきであってはならないという考え方だ。ITの専門家として目利き役になり、顧客にとって最適なシステムを安価に仕上げることに徹するというビジネスモデルである。そしてそのために、最終決定者である顧客企業のトップをしっかりとつかんでいるわけだ。

 これまでの顧客は日本石油(現新日本石油)のほか、すかいらーく、岩田屋といった大手流通業が中心だったが、最近では滋賀銀行や鹿児島銀行など金融業向けの仕事が増えていた。2002年のコンサルティング売上高の実に半分が金融機関向けだった。そして今回フューチャーが初めてつまずいたプロジェクトが、預金総額で100兆円を超える信用金庫業界が共同で利用できる、勘定業務と情報系を一体化した「次期情報システム」だった。2002年の売上高のうち約4分の1がこのプロジェクトからの収入だ。

 フューチャーは次期システム開発を統括するしんきん情報システムセンターを家庭教師のように支援する形で、プロジェクトに参画していた。発注者であるしんきん情報の隣に座って、コンピューターメーカーによる設計・構築に目を光らせる役割を担っていた。

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