では初日の訓練を始めます。テーマは世界中に波及するこの未曾有の経済危機でますます重要になる取引先の信用管理です。
2008年11月26日、東証1部上場の建設業中堅、オリエンタル白石が東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請したことで、今年の上場企業の倒産件数は30社となった(民間調査会社帝国データバンク調べ)。これは、2002年の29社を抜いて、戦後最多の倒産件数となる。
信用調査会社の帝国データバンクによれば、未上場企業も含めると、2008年10月の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は1231件となり、集計基準を改正した2005年4月以降で最多である。2008年1月からの累計は1万524件に達し、年間でも2005年以降、過去最高となる可能性が強い。
1カ月に1200社以上の企業が倒産していく。その中には、米投資銀行リーマン・ブラザーズの日本法人であるリーマン・ブラザーズ証券や大和生命保険などの大型倒産が含まれており、負債総額でも過去最新記録を更新している。倒産主因は「販売不振」「業界不振」「輸出不振」「売掛金回収難」「不良債権の累積」である「不況型倒産」が全体の80%を占めるという。
黒字でも倒産する
この経済環境下では、ビジネスパーソンとしては、取引先の財政状態や経営健全度は気になるところだ。特に、2008年は、「突然死」と呼ばれる黒字倒産、つまり利益は出ているのに倒産する会社が増えた。信用調査会社の東京商工リサーチの調査では、負債100億円以上の企業の倒産は、2008年に入ってから10月末までに60件だが、このうち34件が黒字だったという。
取引先やビジネスパートナー企業の「突然死」は、売掛金の回収難や不良債権の累積、そして場合によってはさらなる倒産という、負の連鎖を生む。このような状況を財務諸表から予測し、コントロールすることは全くできないのだろうか。
2008年8月13日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請したアーバンコーポレイションは典型的な黒字倒産となった企業だ。同社の財務諸表を分析することで、その対策を考えてみたい。
損益計算書から見える「高収益」イケイケ企業の顔
アーバンコーポレイションは、設立当初はマンション分譲を中心に事業を展開していたが、老朽化したビルを買収して、再開発・改築を行った後に転売する不動産流動化事業へとシフトしてから急成長した、新しいビジネスモデルをうたっていた不動産業者である。
同社の損益計算書を見てみよう。分析対象とした2004年以降、毎期順調に売り上げを拡大し、2008年3月期には過去最高の2437億円、5年前の4.5倍の売上高を記録した。当期純利益も順調に伸びており、311億円の最終利益を計上している。
利益率も高い。売上高営業利益率は29%、中小企業庁が発表する不動産業の財務指標によると、売上高営業利益率は、売上高5億円超の不動産業企業で5.0%であることと比較すれば、同業の中小企業に比べて、収益性は驚異的に高いと言えよう。
かように、損益計算書だけを見れば同社は高収益の魅力的な成長企業だ。ゆえに、個人投資家からの人気も高い銘柄だったという。
会社の精神は貸借対照表に宿る?
さて、この会社の貸借対照表を見てみよう。まずは下記、まっさらの貸借対照表を見て、気づいたことを3つ書き出してみてほしい。
・・・隊長が3つ、挙げるとしたら以下の通り。
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