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日本電産が「脱帽」した最強の中小企業がある

エーワン精密の秘密(その1)

  • 中沢康彦

  • 永井 学

  • 齋藤訓之

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2009年1月22日(木)

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 売上高20億円余りの“町工場”なのに経常利益率は40%を超える。

 しかも無借金で自己資本比率は90%――。

 エーワン精密の業績はさんぜんと輝いている。

 完璧に近い結果を出す同社の経営は、非常にシンプルだ。

 「コスト管理」「人事管理」「時間管理」に全くムダがない。

 この「簡単な経営」はあらゆる中小企業の参考になる。


日本電産の永守社長が「脱帽」する強さ

図、売上高経常利益率の推移

 あの日本電産を率いる永守重信社長が「脱帽」する。エーワン精密はそれほど強い。「何がすごいって、利益率がとんでもなく高い。37期連続で35%を超えてます。何でそんなことが可能なのか。それは圧倒的な短納期という強みがあるからです。よそが1週間から2週間かかるところ、注文を出したら翌日に届く速さやからね。ウチもようけ(たくさん)エーワン精密さんから買うてますが、『ちょっと値段まけて』と言いたくても、よう言えへんのですわ(笑)」(2007年6月、企業家ネットワーク主催の「企業家賞」表彰式で選考委員長を務めた永守氏による選評)

 エーワン精密の事業内容は工作機械の小型自動旋盤に取り付ける「コレットチャック」や「カム」という金属部品の製造・販売である。売上高は約22億円(07年6月期)。会社の規模だけ見れば、「町工場」と言っても差し支えない。だが収益力はトヨタ自動車やキヤノンなど、日本を代表する企業をはるかに上回る。

図、エーワン精密のバランスシート

 創業以来37年間、バブル崩壊やデフレ不況などに見舞われても、売上高経常利益率は一度も35%を下回ったことがない。平均すれば41.5%に達する。

「利益を上げるには、『利益にこだわった経営と仕事のやり方』をしなければならない。日本の中小企業の多くは、製品やサービスが優れているのに、経営者が『良いものを作っていれば自然と儲かる』と勘違いしている。中小企業だからこそ、もっと利益への執着心を持つべきだ」。創業者の梅原勝彦相談役はそう話す。

仕事量が減っても「適正価格」を守る

 「エーワン精密さんから1万6000円で仕入れている製品を、ある業者は8000円で売ると言っているんだが」。大幅な値引きを取引先に暗に要求されることは、梅原氏にとって珍しいことではない。

 こんなとき、梅原氏は決まってこう答えてきた。

 「どうぞ、その業者から買ってください」──。品質を維持できる「材料費」、社員の懸命の働きに報いるだけの「給料」、将来のための「設備資金」を賄える価格でなければ、話にならない。商売とは、この最低限の金額に利益を乗せた「適正価格」でするものだ。梅原氏はそう固く信じている。

 梅原氏にとって、利益は徹底的にムダを省き、コストを抑えた経営努力の「賜物」。そして繰り返しやってくる不況の波を乗り切るために必要不可欠な命綱でもある。「売り値には不況時の『しのぎ代』を折り込んでおけ」というのが、梅原氏の口癖だ。だから損をする仕事は受けない。

 この方針を貫き、売上高が減ったこともある。今でこそ売上高は20億円を超えるが、93年には13億円と前年比1割減、02年には14億4500万円と前年比2割減に落ち込んだ。それでも「仕事欲しさの値引き」はしなかった。石油ショック、円高不況、デフレ不況に襲われても経常利益率35%超をキープしてきた。

図、売上高の推移

他社に流れた客も舞い戻ってくる

 「不況時には『注文を取る』より『価格を守る』ことの方が大事」(梅原氏)。経営は山あり谷ありの長丁場。不安になって場当たり的に価格を下げ、無理を重ねて注文を取っていた会社は、品質面で壁に突き当たるか、儲からないために新たな投資ができなくなって競争力を弱める。梅原氏はそんな企業をたくさん見てきた。

コメント1件コメント/レビュー

昔、大会社でこういうことができる部署にいて20才代で自分の企画商品が自分営業により売れるのは楽しかった。運営コンセプトはこの記事と酷似していた。下手な値引き交渉には「安いをお求めなら安いものは自他者にも在るのでそれをお使い下さい。」断られることは少なかった。儲けから開発費を捻り出し次の新規性能品を手がけた。電気部品や半導体みたく設備で大量生産するものでなく、各々の仕事に経験工夫と相手方実務者との説得は苦労だったが儲かった。売上量は小さく7~10億/年、実務者数人で利益は4割程度あり手間アイデア供与料と考えた。材料在庫が納期対応のため必要であるが、これを理解しない取締り役にある時期突然事業所を閉鎖された。必要需要に対応すべく子会社に事業移行に奔走した。上層部は処世術に走り見映え良い報告を求め事業の思考放棄し相手方対応が下手である。分離したい。(2009/01/23)

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昔、大会社でこういうことができる部署にいて20才代で自分の企画商品が自分営業により売れるのは楽しかった。運営コンセプトはこの記事と酷似していた。下手な値引き交渉には「安いをお求めなら安いものは自他者にも在るのでそれをお使い下さい。」断られることは少なかった。儲けから開発費を捻り出し次の新規性能品を手がけた。電気部品や半導体みたく設備で大量生産するものでなく、各々の仕事に経験工夫と相手方実務者との説得は苦労だったが儲かった。売上量は小さく7~10億/年、実務者数人で利益は4割程度あり手間アイデア供与料と考えた。材料在庫が納期対応のため必要であるが、これを理解しない取締り役にある時期突然事業所を閉鎖された。必要需要に対応すべく子会社に事業移行に奔走した。上層部は処世術に走り見映え良い報告を求め事業の思考放棄し相手方対応が下手である。分離したい。(2009/01/23)

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