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第18話「部長を信じています。でもこの状況では…」

2008年12月24日(水)

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前回までのあらすじ

 ジェピー社長、財部益男のいとこである間中隆三は、ジェピーの専務だった。しかし、当時経理部にいた沢口萌と結託して会社の財産を横領したうえに、会社そのものを乗っ取ろうと画策したことを株主総会の場で団達也に糾弾され、ジェピーを追われていた。

 ジェピーは、間中の家族が経営する満沢不動産による借金の保証人となっていた。満沢不動産は倒産。ジェピーはメーンバンクである関東ビジネス銀行に61億円もの債務を負っていた。
 
 間中とともにジェピーを追われた萌は、銀座の高級クラブで働いていた。関東ビジネス銀行の佐古田五郎・融資部長は、間中の大学山岳部時代の先輩だった。
 
 佐古田はクラブで萌と間中との関係を探っていた。


銀座の高級クラブ「真紀」

 佐古田は、間中と萌がただならぬ関係であることを一瞬で感じ取った。単なる不倫関係というだけではない。共通の敵を叩きのめそうとしている同志のような関係に違いない。だが、間中と一緒にジェピーを追われた萌が、なぜ銀座の高級クラブ「真紀」で働くことになったのだろうか…。
 
 「もちろん、間中君がきみをこの店に紹介したんだね」
 佐古田が聞くと、萌は潤んだ目で佐古田をじっと見つめて、首を左右に振った。
 
 「並木通りを歩いていたときに、スカウトされたんです。それに、このお店は以前から知っていましたから」

 佐古田は、萌が以前、「毎月高額の請求書が送られてきたから、この店を覚えていた」と言っていたのを思い出した。
 
 「この店とは縁があるんだ」
 間中が言うと、萌は「間中さんとは、会社を辞めてからはお会いしていません。でも、ここで待っていれば、いつかお会いできると思って…」とかすかに微笑んだ。

 (作り話だろうな)
 佐古田は思った。間中と萌の2人はまだ切れていない。
 
 「じゃあきみは、あの事件の後、別居していた間中君と奥さんが、よりを戻したことは知らないんだね」
 こう言って佐古田はじっと萌の表情をうかがった。

 意に反して「そうでしたか。よかった」と、萌はほっとした表情を浮かべた。

 「奥様は、間中さんと私のことを疑っていたんです。でも、本当に何もなかった。たとえ誤解だとしても、奥様に申し訳なくて…」
 「誤解?」
 
 「会社の誰かが奥様に密告したんです。誰の仕業か知っています。でも、言えません。もし言ったら、今度はその人を傷つけてしまうから…」
 萌は佐古田の肩に寄りかかってこう言うと、寂しそうなしぐさでうつむいた。

 佐古田は鋭い目で周囲を見渡した。そして、小さな声で萌に言った。
 「安心しなさい。すでに手は打ってある」

 萌は顔を上げ佐古田を見つめた。
 「ホントですか。でも、私なんかには、何をしたのかは教えていただけないでしょうね」
 萌はまたうつむいた。
 佐古田はそんな萌の手を握ると「大したことじゃない」と言って、話し始めた。

 

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第18話「部長を信じています。でもこの状況では…」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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