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イノベーションが創るブランド

輝き続けるには、身近な「すごいね」の繰り返しが不可欠――田中洋(中央大学ビジネススクール教授)

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2008年12月26日(金)

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 様々なブランド論が専門家によって語られている。ブランド戦略、ブランド価値、一貫したメッセージの重要性などを解説する本は数多い。しかし、中央大学ビジネススクールの田中洋教授は、そこに足りない視点があると考える。「イノベーション(革新)」とブランドの関係性だ。歴史を経てもブランドが輝き続けるには、身近なイノベーションを継続できるかどうかが決め手になるという。

田中 洋

田中 洋(たなか・ひろし)氏
中央大学ビジネススクール教授。1951年生まれ。慶応義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。電通マーケティングディレクター、法政大学経営学部教授、コロンビア大学客員研究員などを経て、2008年より中央大学後楽園キャンパスに新設された社会人ビジネススクールで教鞭を執る。マーケティング論専攻。
主著に『消費者行動論体系』(中央経済社、2008)、『現代広告論(新版)』(共著、有斐閣、2008)、『広告心理』(共著、電通、2007、日本広告学会賞)、『欲望解剖』(茂木健一郎氏との共著、幻冬舎、2006)、『企業を高めるブランド戦略』(講談社現代新書、2002)など。

 従来のブランド論には、「イノベーション(革新)」の視点が足りないような気がしてなりません。

 例えば、米ダートマス大学経営大学院のケビン・レーン・ケラー教授の『戦略的ブランド・マネジメント』(東急エージェンシー)は、ブランド論の1つの集大成です。自社製品を差別化するうえで不可欠なブランドの役割、ブランドが一貫性を持つことの重要性、ブランドが持つ経済価値である「ブランドエクイティ」を大事にしようといった内容を説明しています(関連記事「機能や品質で勝ってきた成功体験からの脱却を」)。

 この本は、マーケティングの専門家にとっては分かりやすい内容なのですが、私が接する機会が多い経営者にとっては物足りないようです。経営者は、ブランドだけでなく、商品開発、販売など様々な業務を見渡し、それぞれに関して意思決定するからです。そこで、マーケティング分野に限らない、経営におけるブランドの本質的な意味を考えるようになりました。

 「ブランドはイノベーションの成れの果て」というのが私の理解です。

 今確立されているあらゆるブランドは、その誕生において何がしかのイノベーションが存在します。例えば、マクドナルド。「マクドナルドは何がすごいんですか」と誰かに聞いてみても、「ハンバーガーの大手でしょう」とか、「昔から人気があります」といった答えが返ってきます。

 しかし、ブランドには起源があります。マクドナルドの創業者はレイ・クロック氏です。クロック氏は、1954年に米カリフォルニア州のマクドナルド兄弟のハンバーガー店に足を運びました。そしてその仕組みが非常に革新的な内容を持っていることに気が付いた。たくさんのお客が来ても、短時間で商品が提供され、回転率が高かったのです。工場で集中生産するハンバーガーの製造方法、セルフサービスの仕組みなどもユニークでした。

 そこでクロック氏は「このシステムをフランチャイズして世界に広めませんか」とマクドナルド兄弟に提案しました。しかし兄弟は関心を持たずに、クロック氏がフランチャイズ化の権利を買い取ることになりました。

 安くて、おいしく、清潔で、待たずに食べられるハンバーガー店は、こうしてクロック氏によって、米国、そして世界へと広がっていきました。マクドナルドの仕組みは、このように消費者にとって革新的であったことが認められて、ブランド化したのは言うまでもありません。

フライドポテトもイノベーション

 そこには見逃されがちな意外なイノベーションもあります。フライドポテトです。マクドナルドのフライドポテトは、多くの人がおいしいと思っています。マクドナルドは、当時の人々がフライドポテトに期待している水準よりも、おいしい商品を提供しました。しかもどこの店舗に行っても、同じフライドポテトが食べられます。

 つまりフライドポテトは、マクドナルドの1つのイノベーションの核になっていると私は考えています。同じように何気ないところでイノベーションになっているものは、様々な場所で存在します。

 イノベーションがブランドに転化するのは、むしろそのイノベーションの存在が忘れられた時です。

日経ビジネスマネジメントVol.4
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「日経ビジネス」がお届けする経営課題を解決するためのベストプラクティスシリーズ第4弾!
未曽有の経済危機を前に、企業は何を拠り所に、当面の打開策、そして将来の成長戦略を描けばよいのか。
ここに「ブランド」が改めて注目される理由がある。座標軸としての「ブランド」の活かし方とは?
No.1経済・経営誌の「日経ビジネス」がお届けする経営者・管理職向けの実践的ソリューションをまとめた1冊。

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