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Final:あなたの正解はいくつ?

  • 杉田 庸子

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2009年1月16日(金)

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 最終日の今日は答え合わせ。隊員は、答え合わせに当たって、結果だけではなく、なぜ自分がそう考えたかまでさかのぼって、考えてほしい。なお、トラックバックで回答を公開してくださった隊員の皆様、ありがとうございます。すべて貴重なご意見として拝見しました。ここでお礼を申し上げます。

■Day 1 (難易度 やや難しい)
 以下に挙げてある4つの企業の連結財務諸表を見て、それぞれがどの会社であるか、考えてください。どうしてそう考えたかの理由も書きとめてみましょう。
なお、勘定科目は適宜変えてあります。

 答: A社 ソニー
    B社 日産自動車
    C社 セブン&アイ・ホールディングス
    D社 ソフトバンク

 財務分析を行うと答えがクリアになる。Day 2に部分的に公開したが、以下のような項目の財務分析を行ってから宿題に取り組むと、正解への早道だったはずだ。

 A社のソニーは、正社員8000人を含む1万6000人を削減すると発表し、世間に衝撃を与えたことは記憶に新しい。確かに財務諸表を見れば、営業CF(CF)は1440億円の赤字で、厳しい台所事情がうかがえる。

 B社の日産自動車は、営業CFはプラスだが、投資活動による支出はそれを上回る。自動車業界は設備投資の大きい産業であり、「V字回復」後、攻めに転じた同社が投資を増やしたことで、投資CFが営業CFを一時的に上回り、フリーキャッシュフロー(営業CF-投資CF)が赤字になっている。

 こうした状況はライバルのトヨタ自動車も同様で、日産だけが特別ではない。企業は攻めのための先行投資を行う時もあり、その時にフリーCFは赤字になりがちで、フリーCFが赤字でも、それだけではマイナス材料ではない。

 ただし昨今の金融危機から派生した不況で、自動車産業は世界的な販売不振に陥っている。こうした状況でフリーCFが続くと、財務基盤が弱体化していく可能性が高いので、CFの動向は注視しなくてはならない。

 C社のセブン&アイ・ホールディングスの特徴はDay2を参照してほしい。

 D社のソフトバンクがこの4社の中で特徴的な部分がある。それはソフトバンクの連結の有利子負債比率(デッド・エクイティ・レシオとも言う)が他社に比べて、非常に高いことだ。ソニーは38%、セブン&アイは46%、日産は126%に比較し、ソフトバンクは289%と飛びぬけている。つまり有利子負債が、自己資本の3倍近い水準に達しているのだ。ソフトバンクは以前、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)などの大型買収で2兆5000億円という多額の有利子負債を負っている。

 孫正義社長は「携帯電話事業で十分にキャッシュフローを稼げているし、ボーダフォンの買収に伴う銀行団からの借入金も当初予定より早いペースで返せている」とする。現在のような経済環境で借入金を高めて事業拡大するレバレッジ経営はリスクがあるのは、この回で説明した。同社の返済計画が順調に推移するかは注目したいところだ。

 ちなみに、数人の隊員から「連結ベースではセブン&アイや日産は金融業も行っており、単純に小売や自動車といえないと思うが、どうやって比較するのか」という質問を受けたが、今回あげた4社はすべて本業の割合が高い企業群である。セブン&アイはスーパー事業とコンビ二事業で95%、日産は自動車事業で94%、ソニーがエレクトロニクス事業で75%、ソフトバンクが通信業で82%あるため、財務分析には本業の状態がよく表れていたはずだ。

■Day 2 (難易度 簡単)
 ○か×で答えよ。

 1. 話題の国際会計基準のコンバージェンス(共通化)。日本基準で作成するのと国際会計基準で作成されるのでは、同じ会社の営業キャッシュフローの金額は異なる。

 答:×

 キャッシュフローは、会計基準によって金額が変わることがない「絶対」な数値であり、だからこそ比較に当たって有用である。

 2. 減価償却費は営業キャッシュフローの「一部」である。

 答:×

 減価償却費は「お金の出て行かない費用」であり、当期利益から営業キャッシュフローを求めるに当たっての除外項目であって、キャッシュフローの一部ではない。

 3.  破たんした米投資銀行大手のリーマン・ブラザーズは、破たん直前の営業キャッシュフローがマイナスであった。

 答:○

 破たん直前どころか、2004年からずっと営業キャッシュフローは赤字だった。その穴埋めは、借り入れやその返済、増資などの項目を取り入れる財務キャッシュフローをプラスにすることで、会社が持つ現金及びその同等物を整えていた。事業会社と異なりリーマンのような金融機関は、キャッシュフローの区分があいまいになるのは確かだが、それでも同社がどれほど借り入れに依存した高レバレッジのビジネスを行っていたかは明確だ。

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