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第20話「正社員か派遣かは関係ない。従業員が価値連鎖の要だ」

2009年1月14日(水)

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前回までのあらすじ

 ジェピーは資金繰りに窮していた。20億円を手当てしなければ立ち行かない状況だった。

 追い込まれた経理部長、団達也はロンドンに飛び、シンガポール留学時代の旧友、ジェームスに一縷の望みを託した。

 「半年で業績を上向かせることができなければ、特許権を差し押さえる」という条件をつけて、ジェームスは達也の求めに応じた。そこには同じく特許権を狙う米投資ファンドの日本支社長、リンダを牽制する意図もあった。

 達也から資金繰りのメドが立ったという知らせを受け、東京・大手町のジェピー本社の社長室に集まっていた一同は胸をなでおろし、自力での会社再建に向けての具体策を話し合おうとしていた。

 ところが、会議に出席していた豊橋工場・業務課長の木内修二は、一同の希望に水を差すような言葉を言い放った。


社長室

 「木内君。ちょっと待ってくれないか。私たちの考えに反対なら、どうすればいいのかはっきり言ってほしい」
 常務の三沢充が、珍しく声を荒立てた。木内は言葉を絞り出すように考えを口にした。

 「どんなにあがいてもジェピーは自力では立ち直れません」
 「それでは答えになってない」
 「どこか有力な会社の傘下に入るべきです」
 「傘下…」
 「そうすれば楽になります」
 と言って、木内は社長の財部益男を見た。

 「つまり、私たちが株式を手放せば、きみたち社員全員が今の苦労から解放される、と言いたいんだね」
 「…いえ。あくまで、ひとつの選択肢として申し上げたまでです」
 木内は慌てて否定した。

 ところが、益男は意外なことを口にした。
 「それもありかな。でもそんな会社があるだろうか。タダで譲っても、相手は数十億円の借金を背負うことになる…」
 
 経理課長の細谷真理は、益男の言葉を聞いて居たたまれなくなり、思わず叫んだ。
 「社長、それだけは絶対にしないでください」

ヒースロー空港

 「短い時間だったが、きみの構想はよく理解できた。協力させてもらうよ」
 「ありがとう、ジェームス。きみはタイのエラワン財閥のソムチャイを覚えているか」

 「シンガポール大学で一緒だった、あの男か」
 「来月会って、バンコク郊外にある日系の自動車会社に、最新のマイクロスイッチを売り込もうと思っている。成功したら、生産用ロボットをソムチャイの工場に持ち込んで、そこで製造するんだ。それから、マイケル・タンはマレーシア最大の自動車用部品メーカーのCOOだし、ベトナムのホーとインドネシアのアドリアニは商務省の役人だ。それぞれの国で世界最先端のスイッチを製造販売するのに協力してもらおうと思っている」
 達也は目を輝かせてジェームスを見た。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第20話「正社員か派遣かは関係ない。従業員が価値連鎖の要だ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長