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まず異文化との対話から始めよ

【インタビュー編】企業トップ・識者3人に聞く

  • 鷺森 弘,蛯谷 敏

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2009年1月14日(水)

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 日経ビジネス1月12日号の特集「人減らしに潜む真の危機 人材ガラパゴス」に連動したこのコラムの最終回は、グローバル人材のあり方や育成策を追求し続ける企業トップや識者ら3人の見解を紹介する。

 1人目はスイスの製薬大手、ノバルティスの日本法人ノバルティスファーマの三谷宏幸社長兼CEO(最高経営責任者)。三谷社長は川崎製鉄(現JFEスチール)を振り出しに、ボストンコンサルティンググループや米ゼネラル・エレクトリック(GE)など国内外の企業を渡り歩いてきた。グローバル人材を育成し、適切に処遇するには、「世界共通の価値観を打ち立て、それを全世界の社員が共有する必要がある」と説く。

 日本企業はまず、「均質文化」から脱する必要がある。「あうん」の呼吸で理解したり、伝統を継承したりするだけではグローバルの人材は育たない。日本的な価値観がそのまま世界に通用するわけではないからだ。違う価値観や考え方を持った人と対話し、戦略に落とし込んでいく努力を欠かしてはいけない。

「こうあらねばならぬ」という前提が柔軟性を削ぐ

三谷 宏幸(みたに・ひろゆき)氏

三谷 宏幸(みたに・ひろゆき)氏、ノバルティスファーマ社長兼CEO(最高経営責任者)
1977年東京大学工学部卒、川崎製鉄(現JFEスチール)入社。88年ボストンコンサルティンググループ入社。92年日本ゼネラル・エレクトリック入社、企画開発部長に。2002年GE横河メディカルシステム社長、2005年米ゼネラル・エレクトリックのカンパニーオフィサーを歴任し、2007年から現職。55歳

 私は30代の頃、川崎製鉄の半導体部門に所属し、米LSIロジック(現LSIコーポレーション)との合弁事業に携わった。この時に初めて、日本人と外国人では、モノの見方が全然違うことを知った。米国人は誰もが理解できる共通の考え方で、戦略を組み立てていく。例えば、合弁工場の耐震性を議論していた時のことだ。我々は、震度7でも耐えられるような設計にしようとしていたが、相手は、「そのために建設費用がかさむのであれば、耐震性能を落とせばいい」と主張する。周囲の建物が崩壊しているのに、工場だけ残って意味があるのかと言うのだ。

 最終的にはしっかりとした耐震性能を持たせたのだが、日本人は「こうあらねばならない」という前提で議論するので柔軟性がない。

 米国人は、納得性のある論理を組み立てるのが非常にうまい。それは異文化の人たちをマネジメントするために必要なことだと分かっているからである。何も外国人の考え方がすべて正しいわけではない。しかし、外国人の考え方や文化を理解し、日本人の「常識」の幅が極めて狭いことを知る必要がある。

世界共通の価値観を共有することが必要

 私は米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループで働くようになって、世界の各地域の独自性を尊重しながら、価値観やリーダーシップのあり方という軸をグローバルに貫く重要性を学んだ。

 GEはリーダーの条件として「4つのE」を挙げている。それがEnergy(仕事を成し遂げる情熱)、Energize(周囲の人間の活力を引き出す)、Edge(決断力)、Execute(実行力)だ。

 海外拠点を作って、現地化を進めたとしても、それだけではグローバル化を果たしたとは言えない。ノバルティスでもGEと似たようなリーダー像を示している。チームワークやオープンコミュニケーション、好奇心、情熱などだ。GEやノバルティスでは世界共通の価値観を持っており、その価値観を通して、どこの国でもビジネスリーダーとなることが求められている。日本は「あうん」の呼吸でリーダーが決まっているのではないか。

 ノバルティスでは2003年から、業績だけでなく、「顧客志向・クオリティー重視」「イノベーション」「倫理性・相互尊重」などソフトの価値観でも社員を評価するようにした。それは「バリュー・アンド・ビヘイビア」という10項目の行動規範として社員に示されている。欧米企業も成果主義による業績評価だけでなく、企業理念や行動規範もより重視する姿勢を取りつつあるのだ。

 グローバルな人材マネジメントは、70%を世界共通の価値観で統一し、残りの30%は地域の独自性を尊重すればいいのではないか。日本独特の価値観と欧米の価値観がぶつかることはあるが、グローバルな価値観を取り込むことが、企業や社員の強さにつながると思う。

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