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これからの成長は「拡大」ではなく「価値創造」と「永続性」です

「強い社員」の作り方を考える人事・座談会(後編)

2009年1月26日(月)

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 前回に引き続き、これからの強い社員とはどんな社員なのか、また育成していくためには何が必要なのかを、野村証券人材開発部の水野貴司氏、32年間マクドナルドに勤め現在は株式会社人財ラボで人財開発を手掛けている下山博志社長、大手通信事業会社にてプロジェクト制度の導入やプロフェッショナルの育成に従事した株式会社アプランドルの西村明子社長の3人に座談会形式で伺いました。

「楽しい」がなければ仕事はできない

永禮(ながれ):西村さんはプロフェッショナルな人材が働くためのオフィス環境作りも手掛けたそうですが、環境作りで大切にしていた部分を教えてください。

西村:一番の根底にあるのは「楽しさの実現」です。人にもよりますが、自分自身の成長を実感したり、悩みを打ち明けられる仲間を作っていくことも楽しいですよね。誰かの役に立った、誰かから求められた以上の能力を発揮できたという瞬間も楽しいです。また「気持ちがいいオフィス」「机がきれい」など視覚的な要素も入ってくると思っています。

 最近はコラボレーションというキーワードもよく出てきますが、コラボレーションの定義は目的を共有して活動を同期化することです。そのためには社員がオープンにコミュニケーションを取れる環境が必要になってきます。

シグマクシスのオフィスの様子

シグマクシスのオフィスの様子

 情報を共有するためのシステムは比較的どこの会社でも整っていますが、「仕事を楽しくする」ためのオフィスレイアウトを行えている会社は少ないのではないでしょうか?

永禮:オフィスのレイアウト変更にはお金もかかりますしね。 働く環境はマクドナルドも相当考えていますよね。

人材育成には「環境デザイン」も必要

下山:西村さんのお考えにつながっていると思いますが、働く環境を整えるのは当然のことなんですよね。

 どの店舗でも従業員が休憩を取る事務所は最低でも4人程度が休める広さを確保していましたし、休憩スペースとは別に更衣室も必ず作っていました。テレビやお茶飲みセット、いつもきれいなユニフォームで接客してほしいのでクリーニングシステムも整っていました。

 ホワイトボードも設置して、アルバイトの人たちのニュースや他店のニュース、表彰のお知らせなど共有しておきたいことを張り出すようにもしました。それぞれの教育課程も分かる表なんかも掲示しましたね。

 アルバイトでも入店1カ月後ぐらいにはフォローアップオリエンテーションがあって、つまずいている部分があれば、しっかりフォローをしていくという制度もありました。お客様によい品質でよいサービスを提供するためには、従業員たちが快適に仕事をする環境を作らないといけないということですよね。

永禮:アルバイトの人にもフォローアップがあるんですか?

下山:ありますね。人の育成を重視していましたからね。接客がスムーズにできないアルバイトがいれば、フォローアップが足りないと考えたり、バックルームが汚れているから定着率が悪いなど、人材教育と環境デザインを一体で評価していました。

西村:人材教育と環境デザインって、重なる部分がとても多いと思いますね。プロとして力を発揮させるためには、社内の制度、システム、教育、人事の仕組みなどすべてを考えてマネジメントしていく必要があるんです。

 価値観を共有していくことにも神経を使いますが、会社の目指している姿がオフィス環境や社内システム、育成制度などすべてに反映されていることが理解されてくると、ビジョンの浸透につながりやすい。

研修では教えるな! 楽しんでもらえ!

西村:当時社長だった倉重英樹氏(現株式会社シグマクシス代表取締役CEO)は社員のプロ意識をとても重視していました。彼自身も、「自分は経営者であると同時に経営のプロでありたい」と言っていましたし、ご自身も社員と新しいものを造り出していくことをいつも楽しんでいましたね。

 社員にも「自分の頭で考えぬくこと、チームで創造すること」を強く推奨していました。私は研修から社員のプロ化を支援していましたが、「主体的な学習をオンデマンドで実現すること」をコンセプトに、多様なコースを提供しました。

 講師の方に「先ずは自分の頭で考え抜くことを体験し、その後で新たな知識や、やり方を伝授したいので、教え過ぎないでください。自ら考えることや学ぶことが楽しい。新しい知識や、やり方を「現場で使ってみたい」と思えるような動機づけをしてください」とお願いしていました。倉重氏からも「教え過ぎるなよ! 楽しいと思う環境を創れ!」と言われていましたね。

永禮:自分で考え、チームで創る。でも教えるなと。

西村:そうです(笑)。社員が驚くぐらい楽しい研修を提供することもプロ化を促進する仕組みの1つでした。プロフェッショナルサービスを造るためには、自分の頭で考え抜くこと、そしてその考えを自分の言葉にかえて、チームやお客様と議論することの繰り返しです。そこに苦痛を感じたらプロとしての成長は望めなくなります。研修を通して、新しい知識やスキルを吸収すること、他者と教え合い学びあうことが楽しいと体感できれば、仕事への取り組み方や姿勢が変わってくるんです。ですから、研修は参加することが楽しいと思えないといけないんです。

下山:私もその考えには大賛成です。研修は知識を詰め込む場所ではなくて、テーマについて徹底的に議論したり、気づいたことをみんなの前で発表する楽しい時間であるべきなんです。講師の話を聞いているだけでは、本当の研修とは言えません。参加した社員のモチベーションを上げ、職場へ元気にして帰す。目標に向かっていくための栄養を与える場だと考えています。

永禮:ところで、これまで話題になってきた「プロ」って一言で言うとどういう人ですか?

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「これからの成長は「拡大」ではなく「価値創造」と「永続性」です」の著者

永禮 弘之

永禮 弘之(ながれ・ひろゆき)

エレクセ・パートナーズ代表取締役

化学会社、外資系コンサルティング会社、衛星放送会社などを経験後、2008年にエレクセ・パートナーズを設立、現在に至る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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