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高報酬の経営者に栄一なら何と言う?

2009年1月24日(土)

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会社の重役たる名誉も会社の資産も、多数株主から自分に嘱託されたものであるとの概念を有ち、自己所有の財産以上の注意を払つて管理しなければならぬ。【青淵百話:『事業経営に対する理想』】

 企業の経営者は、競合者、景気、金融市場など様々に立ちはだかるチャレンジに直面します。また、顧客、仕入先、従業員、株主、その他社会のステークホルダー(利害関係者)の利害関係を調整する役目を託され、多様な責任を抱えています。

 このような大変複雑な実務に取り組まなければならないのが企業経営者。経営者はどのような「理想」を持って、職務に努めるべきなのでしょうか。

 渋沢栄一の理想には、義務に忠実である心を持つ経営者の姿がありました。「例へば一会社に於ける重役が、株主から選ばれて会社経営に当たる場合には、会社の重役たる名誉も会社の資産も、多数株主から自分に嘱託されたものであるとの概念を有ち、自己所有の財産以上の注意を払つて管理しなければならぬ」。栄一は、経営者は株主の「受託者」であり、受託をする身として厳正なる責任感を意識することが不可欠であると考えました。

 栄一が活躍した時代のおよそ1世紀後、世界をグローバル規模の金融危機が襲いました。この最悪な情勢で、自分が経営する会社が破綻、あるいは株価を激減させ、他社への身売りを余儀なくされながらも自身は何百億円という莫大な報酬を得るウォール街のトップ――。その姿を見たとしたら、栄一はどれほど嘆いたことでしょうか。

前回の英文記事※1をご参照ください。

高い報酬は株主の希望ではなかったはず

 彼らは、恐らくこのように反論します。「今まで、株主に還元した利益を考慮すれば報酬は正当であるし、そもそも株主が我々の報酬を承認しているのだ」と。

 栄一は、企業は「誰のものか」という問題については特に言及していません。ただ、誰のお陰で経営者の存在が確立されているのか、という問いについては明白な言葉を述べています。「総て重役が其の地位を保ち其の職責を尽しているのは、必ず多数株主の希望に依るものである」と。

 栄一が先ほど述べたような経営者を前にしたら、「このような最悪な状況に陥った経営の指揮を執ったオマエさんの高報酬が、株主の希望であるわけがないだろう」と、きっと、首を横に振って諌めることでしょう。

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