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【日本を救う小さなトップランナー】
江南特殊産業(自動車用樹脂部品向け金型の製造・販売)

「失敗でできた穴」で世界一

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2009年1月29日(木)

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 世界に通じるモノ作り。本誌はこれまで高い技術と生産能力を持つ日本企業を多く描いてきた。その対象はトヨタ自動車やソニーといった大企業に限らない。規模が小さく、知名度が低くても、産業界に欠かせない製品や部品を作る中小企業が全国に数多くある。

 このシリーズでは本誌の人気コラム「小さなトップランナー」から優れたモノ作りの現場を紹介した記事を連続で取り上げる。
(注)内容はすべて雑誌掲載時のものです。

* * *

2007年3月19日号より

製造工程で発生したミスをきっかけに、偶然生まれた穴だらけの金型。
それを見た社長は「大発明になる」と確信して研究を重ねた。
今ではこの金型を求め、世界中の自動車メーカーから注文が舞い込む。

(佐藤 嘉彦)

 自動車の設計で特に力が入る部分の1つが、運転席回りの「インスツルメントパネル(インパネ)」や「ダッシュボード」。自動車を運転する時、常に視界に入る部分だからだ。そこで質感を高めるために、様々な工夫が施される。その1つが表面の模様。これらの部品は主に樹脂で作られるが、表面に本革や布地の模様を入れることが多い。

 日本の自動車産業の中心地、愛知県の江南市にある江南特殊産業は、自動車の内外装樹脂部品の金型を作っている。その技術力への評価は高く、国内の自動車メーカーはもちろん、多くの海外メーカーにも採用された。2005年には「第1回ものづくり日本大賞」(経済産業省などが主催)の特別賞も受賞した。

 日本の自動車メーカーの成長や、海外メーカーからの受注増で業績も順調に伸ばしてきた。5年前に20億円程度だった売上高は、2006年4月期は約30 億円まで増加。経常利益も2億5000万円と前年から倍増した。ただ、2007年4月期は、売上高は前年並みを見込むものの、金型の原材料となるニッケルの価格高騰で、利益は微減になりそうだという。

生産効率が大幅に向上

細かい穴が開く「ポーラス電鋳」。穴の大きさや密度を均等にするのが難しい

細かい穴が開く「ポーラス電鋳」。穴の大きさや密度を均等にするのが難しい (写真:早川 俊昭)

 江南特殊産業の金型は電気鋳造という方法で作られる金属製のもの。他社と違うのは、表面に無数の小さな穴が開いていることだ。その製法は「多孔性の」という意味を持つ「ポーラス電鋳」と名づけられた。穴の直径はわずか0.1mm。この穴が自動車メーカーから数多くの受注を呼び込んでいる。金型の価格は従来品の2倍だが、「当社の製品を使えば、樹脂部品の製造コストは3割下がる」と野田泰義社長は自信ありげに話す。

 通常の金型で樹脂部品を作るには、まず金型を200度まで加熱する必要がある。熱した金型に樹脂のパウダーを入れ、溶かす。そして、金型を冷やして樹脂を固める。

 一方、江南特殊産業の製品を使う場合、金型を温める必要はない。シート状の樹脂を加熱して軟らかくし、金型に載せる。そして、金型に開いた穴から空気を抜くことで、樹脂シートと金型の間を真空状態にし、樹脂と金型を密着させて成型する。

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