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最終回 増えるカルテルの損害賠償

  • 石垣 浩晶

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2009年1月31日(土)

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 カルテルや談合で当局から摘発を受けた企業が、課徴金などの行政罰や刑事罰を科されるだけでなく、被害者から損害賠償金を請求されることも多くなってきた。

 最近の例では、2005年に公正取引委員会に告発された旧日本道路公団の鋼鉄製橋梁(きょうりょう)工事の入札談合がその1つ。2008年6月、東日本・中日本・西日本の3高速道路及び日本高速道路保有・債務返済機構は、談合にかかわったとされる49社に約89億円の損害賠償を請求した。

 そして、このうち川崎重工業7012などこの請求に応じない30社に対しては、2008年12月に東京高等裁判所に総額約26億円の損害賠償を求めて提訴した。損害賠償請求の訴えは法人に対してのみではなく、旧日本道路公団の元役員で独占禁止法違反などの罪で有罪判決を受けた4人にも行われ、東京地方裁判所に合計で約19億円の請求額を求めて提訴されている。

 2008年9月には、ごみ焼却施設などの建設を巡り、三菱重工業7011のほか、川崎重工業7012、JFEエンジニアリング、タクマ6013、日立造船7004の間で談合が行われたことに関して、大津地裁は5社に、発注元である滋賀県長浜市など2市3町でつくる湖北広域行政事務センターに対して約4億900万円の支払いを命じる判決を出した。

株主代表訴訟も

 談合やカルテルの直接的被害者が受けた損害を補填することが求められるだけでなく、株主から経営責任を問う損害賠償請求を起こされる可能性もある。例えば、2004年に請求が棄却されたが、黒鉛電極の国際カルテル事件で、米国で独禁法違反罪に問われた三菱商事8058の株主3人が、当時の役員らに約2億ドル(約180億円)の賠償を求めた提訴が行われている。

 2008年6月には、株主オンブズマンが、新潟市や和歌山県、旧防衛施設庁、大阪府枚方市、名古屋市がそれぞれ発注した土木・建築工事や地下鉄延伸工事に関わる談合において、社員監督を怠り会社に損害を与えたとして、大林組1802の当時の役員15人を相手取り、総額約13億円の賠償を求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こしている。

 多額の損害賠償金の請求は独禁法に限らない。

 2004年の青色発光ダイオード特許対価事件のような職務発明訴訟や特許権侵害に関わる紛争でも多く行われている。また、中部電力が2006年に起きた浜岡原子力発電所の蒸気タービン損傷事故による損害額を日立製作所に求める裁判や、東証とみずほ証券の間で争われている誤発注裁判では、企業の過失による損害責任の所在や損害賠償の金額が争われている。

 企業が損害賠償請求を行う場合、あるいは損害賠償請求を求められた場合の、適正な算定方法とはいかなるものか。

仮想現実が前提となる損害賠償金

 民事訴訟で損害賠償金が争われる場合には、原則的に過失又はカルテルや談合といった違法行為によって失われた「逸失利益」の算定が必要となる。「逸失利益」とは被告の過失や違反行為がなかった場合の「仮想現実」において原告が得ることができた利益から、過失や違法行為が行われた実際の利益を差し引いたものである。

 欧州委員会によって旭硝子5201や日本板硝子5202に莫大な制裁金が課せられている自動車用板ガラスのカルテルを例に取って考えてみよう。

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