永禮(ながれ):社員のモチベーションを高める時に、「NBオンライン」を拝見していると、例えばオフィス環境に特徴がありますね。「一度、通っただけでもこんなところで働きたいなと思うような環境」がつくられ、「IT(情報技術)をいろいろ活用して、どこでも快適に働けるように」工夫されている。
それ以外に、例えばコミュニケーションだと、仕組みでカバーできるものと、それ以外に人と人との触れ合いもあると思うんですね。研修も1つの交流の場だと思うんですが、工夫されていることはあるのですか。
倉重英樹氏 (写真:菅野 勝男)
倉重:出会いがあることが、すごく大事ですね。何かやりたいと手を挙げた時に、ぱっとその手につかまってくれる人がいる。それが仲間だし、その仲間と出会える場所が大事ですね。
例えば、うちは決められた席がない。どこに座ってもいいので、席に座ること自体に出会いがあります。社員を見ていると、いつも同じところに座っている人と、意識的に替えている人と、それから、誰がどこに座っているかで座るところを決める人がいます。座っている人を見て遠ざかる人と近づく人がね。
永禮:ありますね。
オフィスには出会いをつくろう
倉重:それから、オフィスの真ん中に円いスペースがある。「マーケット」と呼んでいるんですけど、そこにはマーケティング資料とか、文房具とかを全部まとめて置いてあるんです。そこにしかないんです。そうすると、何か必要になるとそこに取りに来る。そこで、出会いが出てくるんです。
永禮:製造業の5Sの発想のように、手の届くところにすべてのモノを効率よくそろえておくというのとは、逆の発想ですね。わざと不便をつくっておいて、人をそこに集めて、コミュニケーションの機会をつくっているんですね。
倉重:例えば、社員も、たまたま前に座った人に夜、飲みに誘われたりしていますね。それから、たぶん同期会とか、バーベキューパーティーとか、何とか大会とかいう集まりは、ほかの会社より多いと思いますよ。
あと、オフィスにあるカメラを通じて、社外にいる社員はオフォスの中の様子が分かるようになっています。つまらないようで意外に大事なんですよね。オフィスに誰がいるのか分かるんです。カメラは外からズームインなどの操作はできないようになっていますけどね。だから悪さはできないんですけどね。
シグマクシスのオフィス。奥に見えるのが「マーケット」
永禮:私もコンサルティング会社にいましたが、社内のつき合いは嫌だと言う人は少なくないですね。目の前の仕事でプロとして成果を上げればいいじゃないか。なぜ仕事の場で他人とわざわざ接しなきゃいけないんだと。
プロはコラボレーションする
倉重:ええ、いますよね。それに対して、僕が時々話をするのは、ニューヨークヤンキースの松井秀喜の話なんです。
彼がニューヨークから帰ってきた時に、東京ドームで「バッティング練習」だけを公開します、とアナウンスする。それで5万人が集まるでしょうか。ゲームではないので5万は集まらないですよね。数百人は来るかもしれませんけど。やはり、いくら個人のレベルが高くても、顧客にパフォーマンスを出すには組織がいる。チームがいるんですよ。
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