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下請け会社が命がけで開発した「世界一薄い服地」に超一流ブランドが行列

天池合繊社長(合成繊維生地製造・販売)天池源受

  • 曲沼美恵

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2009年4月14日(火)

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倒産・廃業が相次ぐ北陸の合繊産地の二代目社長は
「技術のハードル」「取引先の倒産」を乗り越え、
超一流ブランドが注目する世界一薄い服地で浮上を図る。

PROFILE
1955年生まれ。中京大学卒業後、2つの繊維会社を経て、26歳で父が創業した天池合繊に入社。水や空気で横糸を飛ばす高速織機の導入などを手掛けた。01年、父の事業を引き継ぎ社長に就任。下請けからの脱皮をけん引する。

 世界一薄くて軽いという服地で、パリ、ミラノのファッション市場にふわりと舞い降りた織物会社がある。能登半島に本社を置く天池合繊だ。

 「天女の羽衣」と名付けた布は重さが1m2当たりわずか10g。肌触りが絹のように滑らかで、表面は水面が波打つかのような光沢がある。

 製造には直径が毛髪の約5分の1という超極細糸を使う。同社によると、それほど細い糸を織れる業者は世界でも数社。染色まで手掛けて衣料分野で展開しているのは同社だけだという。

 それだけに注目度は高く、2005年の発売以来、国内外の展示会で同社のブースを訪れた企業は約300社に上る。世界の最新ファッションを伝える雑誌にはこの布を使った有名ブランドの服が頻繁に登場する。イタリアのジョルジオ・アルマーニなどだ。

 だが社長の天池源受は雑誌を前に少し複雑な表情だ。「商社さんを経由する分は、『ブランドの名前は出さないで』って、言われとるんです。出すと、出入り禁止になるそうです」

 たった3年前までは「1m当たりいくら」で布を織り、工賃収入を得るだけだった。そんな会社が一躍世界の注目を集めるようになったが、天池は業界の商習慣をよく知らない。ブランド名も勉強中だ。「英語版のホームページも作らないかんし、フランス語のメールも届く。降ってわいたような忙しさです」

くもの糸のような糸織り上げるために苦闘


衣料用で世界一薄いという布「天女の羽衣」

 天女の羽衣は1m×1m50cmサイズで数千円から一万数千円とシルク並みの価格のため、現在、主にオートクチュールと呼ばれる高級注文服で使用されている。

 「これが原糸です」と、天池が布の端をほどいて見せてくれた。衣料用では15デニール(糸の太さを表す単位)で極細と言われるが、天女の羽衣で使うのはその半分以下の7デニール。目をこらしてやっと見える、くもの巣のような糸だ。

 この糸を織り上げる工場は本社のすぐ隣、山と田んぼに囲まれた田園風景の中にある。世界最先端のファッションを支える布が生まれるとは、にわかに信じられない、のどかな眺めだ。

 天池の父が創業したのは1956年。国内の合成繊維業界の黄金期だった。だが、天池が入社した81年以降は、安価な海外製品の台頭などで同業者の倒産や廃業が目立ち始めた。

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