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「どうせ無理」なんてない。北の小さな町工場が見失った夢を取り戻し宇宙ビジネスに挑む

植松電機専務(機械製造・販売)植松 努

2009年5月12日(火)

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北海道にある社員18人の町工場、
植松電機は小型ロケットや人工衛星を製作し、
打ち上げるビジネスを目指している。
子供のころの夢を一度は見失った後継者は、
「『どうせ無理』というあきらめがはびこる風潮を、
この場所から変えたい」と意気込んでいる。

PROFILE
1966年8月、北海道生まれ。北見工業大卒業後、菱友計算に入社。94年、同社を退社。父が経営する植松電機に入社。2004年、ロケット事業をスタート。本社工場で「CAMUI型ロケット」実物大模型と

 北海道のほぼ中央にある赤平市は元炭坑の街。最盛期に約6万人いた人口は、閉山後、減少し続け、現在は約1万4000人。大きな企業もなく、財政状況の深刻さは“第2の夕張”とささやかれるほどだ。

 そんな地で、ロケットを作り宇宙へ飛ばそうと夢見る企業がある。社員18人の町工場、植松電機だ。

 1962年に炭鉱用機械の修理業からスタートした同社は、自動車の修理や油圧ホースの修理などに仕事の幅を広げながら必死で生き残ってきた。

 転機は90年代の、バッテリー式マグネットの開発。この装置を建設重機に取り付けて使うと、産業廃棄物から鉄くずを効率良く取り出せるという。社長で創業者の植松清(74歳)が考案し、息子で専務の努(41歳)が工夫してヒットにつなげた。同社はこの分野でシェア9割を占める。

 この成功をバネに、努はロケット事業という新たな分野に挑んでいる。


ロケットに使うパラシュートは社員がミシンで縫う

 宇宙開発は巨額の資金を投じて国家レベルで取り組む事業である。しかし近年、技術開発が進み、一般の企業でも宇宙に手が届くようになってきた。大阪府東大阪市では、中小企業が集まって人工衛星作りを進めている。努は北海道大学などと協力しながら、小型ロケットや超小型人工衛星を製作し、打ち上げるビジネスを目指す。

 2月上旬、最低気温がマイナス20度以下という酷寒の中、努は熱く思いを語った。


工場の2階には、宇宙事業向けの研究施設もある

 「小さな会社が、どうせ無理と言われることをやってみせる。そこに意味がある」

 努の案内で工場に入った。機械油の臭いがたちこめる作業場の奥に、細く白い機体があった。「CAMUI(カムイ)型ロケット」の実物大模型だ。

 CAMUIとはアイヌ語で「神」を意味する。考案したのは北海道大学教授の永田晴紀。実用化に向け実験場を探していた永田に、努が製作も含めた協力を申し出たことで、二人三脚が始まった。

 事業化という点でCAMUIが有利なのは、その安さだ。火薬などの危険物を使わず、ポリエチレンを液体酸素で燃焼させる方式のため、安全管理のコストを抑えられる。また一般で手に入る工業規格品だけで機体が作れるため、製造コストも安く、例えばエンジン部分は約2万5000円にすぎない。

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