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資本主義の父は「非営利事業の父」でもあった

2009年2月7日(土)

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其の事業は果して成立すべきものなるや否やを探究すること。【青淵百話:『企業家の心得』】

 「私たちの大きな志に疑問を持つ人々がいる。彼らは現在のシステムがあまりに多くの大計画に耐えられないと主張する。ただ、彼らは忘れている。この国が成し遂げたことを。想像力が共通の目的と結びつき、必要性が勇気と交わった時、自由の男女が何を達成できるかを忘れているのだ」

 就任演説でオバマ大統領が訴えた「想像力が共通の目的と結びついた時に達成できる偉大さ」。どの国、どの時代においても、何か新しいことを成し遂げようとチャレンジしている人々の心に響く言葉です。

500社に関与した栄一

 「日本の資本主義の父」と言われる渋沢栄一も、多くの新しいことを成し遂げたチャレンジャーでした。

 日本初の銀行であった第一国立銀行(みずほ銀行)の設立だけではなく、その他に創業・出資・経営に関与したおよそ500社に、王子製紙、日本郵船、東京海上保険(東京海上日動火災保険)、東京貯蓄銀行(りそな銀行)、日本興業銀行(みずほコーポレート銀行)、東京ガス、大阪ガス、富士製鋼(新日本製鉄)、NKK(JFEスチール)、石川島平野造船所(IHI)、東洋紡績、澁澤倉庫、帝国ホテル、帝国劇場(東宝)、サッポロビール、キリンビールなどがあります。

 栄一の創造力が豊富であったことには間違いありません。ただ、これほどの功績は1人で成し遂げたわけではありません。多くの日本人が、同じ目的と結びついたからこそ、達成できたのです。このことを「忘れている」のは、現在の日本人かもしれません。

 栄一が残した訓言に、私たちが忘れたものとして何があるか、紐解いて調べてみましょう。

実業創設の原動力は私財の積み上げでなく「愛国心」

 栄一は、企業家が注視すべき心得には4つある、と言いました。

1) 其の事業は果して成立すべきものなるや否やを探究すること。
2) 個人を利すると共に国家社会も利する事業なるや否やを知ること。
3) 其の企業が時機に適合するや否やを判断すること。
4) 事業成立の暁に於てその経営者に適当なる人物ありや否やを考えること。

 ビジネスモデルの有効性、収益性、事業発足のタイミング、そして人材の重要性は、時代を超え、現在のベンチャービジネスでも注視すべき課題です。

前回の英文記事※1をご参照ください。

 しかし、4つの教訓のうち、2の「国家社会も利する」という項目は、現在のベンチャー、もしくは既存企業であっても、注視していることとは言えないかもしれません。

 足元の業績が企業の持続性につながるということには、議論の余地はないでしょう。ただ、目先の数字を上げるという近視眼的な呪縛に縛られ、社会全体の収益性など考える余裕などないという現象をしばしば見受けます。

 栄一が次々と実施した実業創設の原動力は、私的な財を積み重ねることではなく、「愛国心」でした。もちろん、軍事主義を主張していたわけではなく、商人の「義」の道を成し遂げる主張です。

 あの時代、西欧の列強各国にのみ込まれないように、封建制度社会の日本が近代国家として立ち上がることに貢献する義務感の実践だったのです。その時代から、国力の根源には民間の底力があるということに、栄一は着目していました。

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