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第24話「正社員にも手をつけなければ、生き残れません」

2009年2月18日(水)

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前回までのあらすじ

 米投資ファンドの日本支社長・リンダは、関東ビジネス銀行の佐古田五郎・融資部長の「ジェピーの破綻は間違いない」という言葉を信じ、ジェピーの債権は買い取れると、投資ファンド「マインスリー社」の会長兼CEOロバート・グラハムに約束していた。

 しかし、経理部長の団達也の果敢な行動でジェピーにはスポンサーが現れた。達也の旧友が勤める英国の投資ファンドだった。

 そのことを知らない佐古田は、ジェピーの破綻を祝おうと、ジェピーを追われた間中隆三と沢口萌を食事に誘った。その席で佐古田は、ジェピーにスポンサーが現れたことを萌から知らされ、狼狽した。

 ジェピーでは、工場の統合や生産体制の見直しなどで、リストラが進められていた。

関東ビジネス銀行

 「ミスター・グラハムに、こっぴどく叱られましたよ」
 関東ビジネス銀行の佐古田は苦虫を噛み潰したような顔で言った。

 「私のボスはあなたからの朗報を心待ちにしていました。もちろん私も同じでした」
 「結果として、ご期待に沿えなかったことは残念です…」

 佐古田は決して謝ろうとはしなかった。そんな佐古田にリンダは言った。
 「あなたは以前、ジェピーは近々破綻するとおっしゃいました。自信たっぷりでした。当然、確かな裏付けがあっての発言だと、私は思っていました」
 リンダの美しい顔が歪んだ。

 「あんな伏兵が潜んでいたとは…」
 「想定外とでも言いたいのですか」

 「私どもにとっては全く青天の霹靂でした」
 すると、リンダは佐古田をにらみつけた。

 「あなたは団達也という男を甘く見ていた。そういうことです」
 「まあ、結果としてそうい言うことになりますな」

 佐古田はリンダの物言いに辟易としていた。こんな娘のような若者にとやかく言われる筋合いはない。佐古田は次第に突っ慳貪になった。リンダもそんな佐古田の態度が不愉快でならなかった。リンダはとっておきの言葉をぶつけた。

 「私どもは貴行との取引を解約する準備を始めています。一両日中に、私があなたの上司の松井頭取に直接お会いして、あなたを取るか、マインスリー社を取るか、決めてもらうつもりです。いいですね」

 すると佐古田は何食わぬ顔でこう聞き返した。

 「リンダさん。私にはあなたがおっしゃっていることがよく理解できませんな。確かにグラハム氏は憤慨していました。しかし、私にではなく、あなたに憤慨したのですよ」
 「どういう意味ですか?」

 リンダが激しく動揺した。

 (若いな…)

 「あなたは、今回のどんでん返しを知り得る立場にいた。しかし、情報収集を怠ってしまった。私にはよく分かりませんが、ミスター・グラハムはそう信じていましたよ」
 リンダは言葉を失い、見る間に顔から血の気が引いていった。

 (罠にはまったな…)

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

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「第24話「正社員にも手をつけなければ、生き残れません」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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