「日経ビジネスが描いた日本経済の40年」

【日本を救う小さなトップランナー】
マコー(ウエットブラスト技術の開発と処理装置の製造・販売)

水の力で金属も会社も磨く

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2009年3月3日(火)

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 世界に通じるモノ作り。本誌はこれまで高い技術と生産能力を持つ日本企業を多く描いてきた。その対象はトヨタ自動車やソニーといった大企業に限らない。規模が小さく、知名度が低くても、産業界に欠かせない製品や部品を作る中小企業が全国に数多くある。

 このシリーズでは本誌の人気コラム「小さなトップランナー」から優れたモノ作りの現場を紹介した記事を連続で取り上げる。
(注)内容はすべて雑誌掲載時のものです。

* * *

2007年9月3日より

水と研磨材を混ぜ合わせた液体を高速噴射するウエットブラスト技術。
部品などの錆びや汚れを洗い流し、表面の繊細な加工も可能にした。
設計力を生かしたファブレス経営で、ニッチ市場からの脱却を目指す。

(大竹 剛)

 上越新幹線の長岡駅からタクシーで約15分。新潟県の中越地震、中越沖地震と震度6を超える揺れに相次いで襲われたこの土地で、大地震の影響を微塵も感じさせず成長を続けている会社がある。「ウエットブラスト」という技術でニッチ市場を掘り起こしているマコーである。

 ウエットブラストとは、金属やセラミックなどの汚れを落としたり、表面を加工したりする研磨技術の一種だ。水に研磨材を混ぜた液体を時速350kmを上回る速さで噴射することで、汚れなどを洗い流す。

ウエットブラスト技術を使った自動機の前で手動機の模型を持つ松原幸人社長。今でも自ら設計に携わる

ウエットブラスト技術を使った自動機の前で手動機の模型を持つ松原幸人社長。今でも自ら設計に携わる (都築 雅人)

 マコーは1983年の創業以来、一貫してウエットブラストの開発に取り組んできた。この技術を用いた処理装置の製造・販売では業界トップクラスの実績を誇る。2006年9月期の売上高は約21億円。「ウエットブラストの用途はまだニッチだが、従来の技術が入り込めない分野で採用されている」とマコーの松原幸人社長は話す。

 ウエットブラストに似た研磨技術としては、古くからドライブラストがある。紙やすりの研磨材にも使われているアルミナという金属粉などを圧縮空気で加速して噴射する技術だ。水などの液体を使わないためにウエットブラストより構造が単純でコストも安い。

 だが、課題もある。研磨材の粒子を細かくすると飛散しやすくなり、安定的に制御するのが難しい。粉塵が飛び散るため集塵装置が不可欠だ。研磨材が対象物に衝突した時に熱が発生したり、研磨材が対象物にめり込んだりすることもある。


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