• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

第30話「あの2人の女を使えばいい。でっち上げればいいのだ」

2009年4月1日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

前回までのあらすじ

 ジェピー社長の財部益男は、役員会のメンバーが経理部長の団達也の意見にばかり耳を傾けることが面白くないと感じていた。自分なりに勉強し、そうして得た知識を役員会で開陳したというのに、達也がその意見を否定するようなことを言ったために、益男の堪忍袋の緒は切れた。

 ジェピーのメーンバンク、関東ビジネス銀行の佐古田五郎・融資部長は、アメリカの投資ファンドからジェピーの債権を譲ってほしいと依頼されていた。その投資ファンドの日本支社長は、達也のかつての恋人、リンダだった。

 リンダはジェピーが持つ知的財産を狙っていたのだ。

 ジェピーの元専務、間中隆三と元経理部長の斑目淳次は、株主総会の最中、達也の手で横領を指摘された末、会社を追われていた。間中はいつか達也に仕返しをしようと雌伏の時を過ごしていた。

 ジェピーには達也に反目する人間が存在していた。それは、経理部の田中と閉鎖された豊橋工場に勤務していた木内の2人だった。

ジェピー社長室

 「団君。きみは何か勘違いしてるんじゃないか」

 益男の体が小刻みに震えた。なぜ益男が突然怒り出したのか、達也には全く理解できなかった。だが、三沢は薄々気づいていた。この会議が始まった時から益男の態度はおかしかったからだ。

 「何か失礼なことを申し上げましたか?」

 達也は予想もしていなかった益男の反応に戸惑いを覚えた。

 「私はね、きみがしていること、きみの態度、きみのすべてが気に入らないんだ。勘違いしてはいけない。きみは、取締役経理部長にすぎない。そこを勘違いしている」

 益男の口元は怒りで震えている。

 「それにきみの私に対する態度は何だ。まるで私がきみの使用人のようじゃないか。私が社長だ。それと、財部家の信用があるから金融機関は融資してくれるんだ。きみは借入金の保証をしているのか。家を担保に差し入れているのか。私と私の母がすべての財産を差し出しているからジェピーは潰れずに済んでいる。そのことをきみは分かっていない」

 (勘違いも甚だしいな…)

 達也は目の前で顔を真っ赤にして声を震わせている益男にうんざりした。

 ジェピーの営業キャッシュフローが黒字化しないと、ジェピーはジェームスの投資ファンドの手に渡ってしまうのだ。

「「熱血!会計物語 ~経理部長、団達也が行く」」のバックナンバー

一覧

「第30話「あの2人の女を使えばいい。でっち上げればいいのだ」」の著者

林 總

林 總(はやし・あつむ)

公認会計士

外資系会計事務所、監査法人勤務を経て開業。国内外でビジネスコンサル、管理会計システム導入コンサルのほか、大学で実践管理会計の講義を行っている。また管理会計の草の根活動として、団達也会を主宰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授