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狙われている「日本の水市場」

水“資源”を巡る戦いは始まっている(後編)

  • 飯野将人,堤 孝志

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2009年4月3日(金)

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隠れた巨人「ウォーターバロン」

 水ビジネスで無視できないのは、ウォーターバロン(水男爵)と呼ばれる巨大な水道事業者だ。仏ヴェオリア・エンバイロメント、仏スエズ、英テムズ・ウォーターがその代表格。

 これらの巨大水道事業者は、自治体や法人から水道施設の設計・構築から運転維持管理、代金回収、下水処理までをトータルで受託し収益を上げる。

 この水道事業の市場規模は2025年に100兆円とも言われる巨大市場だ。逆浸透膜などの機器市場の規模が1兆円と予想されるのと比べてもケタ違いに大きい(経済産業省:「我が国水ビジネス・水関連技術の国際展開に向けて」、2008年7月)。

 民間企業による上下水道事業は、現在世界で約4億人が対象と見られるが、市場の大半をこの3社が占める。水道事業を民営化する国や地域にとって「ウォーターバロン」はトータルソリューションを提供できる総合力が魅力だ。

世界中の57カ国で水道サービスを受託

 このウォーターバロンの一角ヴェオリアをクローズアップしてみよう。

 ヴェオリアは1853年に設立されたフランス企業だ。創業以来150年以上も積み重ねてきた水道の維持管理のノウハウが強み。

 フランスでは1962年と92年に制定された水法によって上下水道は地方自治体が直接または間接的に手がけることになっているが、総人口の実に約8割が委託水道会社から給水を受けており、そのうちの7割がヴェオリア、スエズ、ソールの寡占3社による委託契約になっている。

 現在、ヴェオリアは世界中の57カ国で自治体や法人顧客から水道サービスを受託し1億3200万人を超える消費者に飲用水や下水処理サービスを提供している。

 2007年の売上高は326億ユーロ(1ユーロ=120円換算で約3.9兆円)で営業利益は24.6億ユーロ(同2952億円)。この中にはエネルギーや廃棄物処理事業も含まれるが、水事業だけでも109億ユーロ(同1.3兆円)と巨大だ(同社Web)。

 買収による垂直統合も進めており逆浸透膜などの水処理技術も自前でそろえている。また、最近ではついに日本市場にも参入し2007年度には3件の受注を果たしている。さらに2008年1月、西原環境テクノロジーを子会社化しさらなる日本市場におけるシェア拡大を目論んでいる。

わが国の水道事業

 わが国では長いこと官が水道事業を行ってきた歴史があり、ウォーターバロンのような民間企業は存在しないが、強みのある個別要素技術を生かして「オールニッポン」で取り組んでウォーターバロンの牙城を崩そうと、国内プラントメーカーやゼネコン、水処理技術メーカーなど28社が結集して「海外水循環システム協議会」という取り組みがスタートした。事業に応じて特別目的会社を設置し、メンバー各社が連携して市場開拓を目指す。

コメント1件コメント/レビュー

昨日、今日と大変示唆に富む記事を有難うございました。特に今日の記事は旧態依然としている日本の水道事業にどう切り込んでいけるか、ベンチャー企業がどういうところに目をつければ良いのかが具体的に書かれていて、私のような素人でもよく理解できました。 思ったことは例としていて出ていたベンチャー企業の技術だけでは即水道水として供給できないので、水道水基準を満たすような消毒剤(たいていは塩素系だと思います。)が必要になりますが、それはつまり水消毒剤市場も広大なのでは? そしてそういった水消毒剤にも新しいベンチャー技術があるのでは? ということでした。 今後また機会がありましたら、ぜひ水消毒剤市場についてもご見識をご披露頂ければ幸いです。 (2009/04/03)

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昨日、今日と大変示唆に富む記事を有難うございました。特に今日の記事は旧態依然としている日本の水道事業にどう切り込んでいけるか、ベンチャー企業がどういうところに目をつければ良いのかが具体的に書かれていて、私のような素人でもよく理解できました。 思ったことは例としていて出ていたベンチャー企業の技術だけでは即水道水として供給できないので、水道水基準を満たすような消毒剤(たいていは塩素系だと思います。)が必要になりますが、それはつまり水消毒剤市場も広大なのでは? そしてそういった水消毒剤にも新しいベンチャー技術があるのでは? ということでした。 今後また機会がありましたら、ぜひ水消毒剤市場についてもご見識をご披露頂ければ幸いです。 (2009/04/03)

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