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「家を継ぐ」という忠義心に見るサステイナビリティ

2009年4月4日(土)

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 封建制度の下に270年間の平和期であった江戸時代。真剣を振り落とす必要が少なくなった武士階級の規範に、儒教の仁、義、礼、智、信という徳の教えの影響が高まりました。

 高尚な立場に自身を置いていると思っている士族が、金銭勘定は卑しむべき行為であるという思想に取りつかれてしまったことを想像することは難しくありません。ただ、彼らの生活が成り立ったのは、農民や商人の手でこしらえた果実をかじっていたからです。

 明治維新によって武士は刀を棚に仕舞いましたが、彼らの自尊心は残りました。20世紀の初頭に新渡戸稲造が、西洋の騎士道に劣ることのない、「武士道」という言葉で、日本の精神を西洋社会に訴えたことも、士魂の存在感を世に定着させました。ただ、武士道とお金勘定は相容れないという時代背景では、商才は日本の精神ではないという風潮を招いたことも確かかもしれません。

経済で国力を強化しなければならない

 一方、日米友好関係の活動などを通じて新渡戸稲造と親しく交流した渋沢栄一は、日本の実業を促進し、経済によって国力を強化しなければ、20世紀の世界の列強と競争できないことを危惧していました。このため、「士魂は重要であるが、商才も必要」と主張したのです。

前回の英文記事※1をご参照ください。

 渋沢栄一は農商家で生を受けましたが、幼い頃から剣道や儒教など「士魂」を尊ぶ環境で育ちました。ところが、汗を流して努力しようとしない地元の代官が、士の立場を利用し、高いところから見下すようにして農家から年貢を要求する態度を目の当たりにした時、栄一は理不尽さを感じました。能力主義であった10代の青年の腹は煮えくりかえったのです。

 また、明治新政府の役人として職務に携わっている20代の時には、武家出身の同僚たちが出勤しても1日中、お茶をすすっているだけという姿を見て落胆します。外見的なステータスと自尊心があるだけで、内なる精神が乏しい武士を目にした栄一は、このままでは激変している世界情勢の中に日本はのみ込まれてしまう、そう危惧しました。

前回の英文記事※2をご参照ください。

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