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毎日、社長へ3行の提案書を出せる会社

サトー取締役経営顧問 藤田 東久夫氏(前編)

  • 永禮 弘之,秋元 志保

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2009年4月13日(月)

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 今回ご登場いただく方は、バーコードプリンターなどのメーカーで東証1部上場のサトーで社長、会長を務められた藤田東久夫氏です。第1回目の今回は、同社のユニークな改善提案のしくみ、「三行提報」を中心に、現場の社員の意見や情報を経営に生かす取り組みが生まれた経緯や内容をご紹介します。また、次回は「玉石混交人事」や「四者還元」といった人事や利益配分のあり方についても触れます。

廃業の危機に経営理念が誕生

 1969年に制定された「あくなき創造」というサトーの社是は、常に変化していこう、社会に求められ必要とされる存在でいようという意味が込められていますが、それは創業者(佐藤陽氏)の経験から生まれたものです。

藤田 東久夫(ふじた・とくお)氏
株式会社サトー取締役経営顧問
1951年8月10日生まれ。75年に慶應義塾大学経済学部卒業後、日本航空株式会社に入社。85年株式会社サトーに入社。営業職、社長室等を経て90年に代表取締役社長に就任。2003年に代表取締役執行役員会長兼CEO、2007年から現任。著書に『たった三行で会社は変わる―変化と行動の経営』(ダイヤモンド社刊)

 もともとサトーは竹材加工機の製造販売を行っていましたが、次第に梱包の際に必要な結束機を作るようになりました。さらに、創業者は値札のラベルを効率的に貼る機械ができないか、と考え、「ハンドラベラー」を発明し、製造販売を開始しました。

 竹材加工の仕事から結束機の製造に転身し、ハンドラベラーの事業が軌道に乗り始めた頃、日本中で労働争議が起こったんです。

 その波はサトーにも押し寄せてきました。今まで社員のため、家族のため、生きるがために、創業者は必死で会社を守ってきましたが、「労働者の敵だ」という抗議に何年もさらされた。

 「もう会社を畳もう」

 創業者はそう思ったそうです。

 そんな時、「ハンドラベラーがないと困る。サトーさんが作らないんだったら自分たちで工場へ行って作るよ」と、取引先の代理店の方々が押し寄せてきました。

 長引くストライキに会社を畳んでしまおうと思っていた創業者は、「社員を食べさせるとか家族を路頭に迷わせないようしようとか、そういう話じゃない。サトーはお客様にとって必要なんだ。自分の一存で潰してはいけない」と考えを新たにしました。会社は社会の公器だという発想が芽生えたんです。

 「あくなき創造」というのは、世の中に必要な存在であれば、事業は続けていかなきゃいけないし、社会の要望に基づいて変化していくことが欠かせないという考えを表したものです。世の中にどう役立つのか、いわゆる企業価値は、このストによって強く会社に根づいたんですね。

 世の中は常に変わっていきます。「あくなき創造」で新しいものを次々に創造し、必要とされるべく変化を続けていくべきなんですよ。

 戦後間もない時期に頻発していた労働争議は、日本全体で社会不安を引き起こすほど激しいものだったようです。サトーも激しい労働争議に直面し、同社の創業者、佐藤陽氏は廃業も覚悟しました。しかし、自社の商品を求める得意先の声に元気づけられ、事業を続けることを決意します。「世の中で求められている企業だけが生き永らえる」ということに気づかれたのでしょう。

 日本企業には、「世の中の役に立つ」ことを経営理念の柱に掲げているところが少なくありません。パナソニック(旧松下電器産業)をはじめ、資生堂、シャープ、YKK、コクヨ、ダスキンといった企業では、「世の中の役に立ってこそ、企業は生き永らえる」という厳然たる事実を突きつけられた創業者の原体験が、脈々と経営理念として受け継がれています。

 一方で、「時価総額経営」や「1兆円グループ構想」といった規模拡大を追求する経営方針を掲げた企業は、不祥事や経営破綻に見舞われています。自己都合で単に規模拡大を追い続けていると、いつしか自らの存在意義を見失い、世の中に必要とされなくなってしまう。

 戦後最悪の不況期である現在こそ、自社の存在意義を見直し将来への飛躍のチャンスにする絶好の機会です。

トップも辛い「三行提報」の仕組み

 サトーのしくみの中でユニークなのは、「三行提報」です。三行提報は、毎日全社員、全執行役員がトップに提案や報告を3行、127文字で書く、いわゆる日報のようなものです。ストライキを経験した創業者が「日頃から社員の声をきちんと聞いていればストは起きないだろう」という反省から、1976年から始めました。

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